東京五輪組織委員会は12日、2020年東京五輪・パラリンピックのメダリストに副賞として授与するビクトリーブーケのデザインを発表した。

 五輪の表彰式でのブーケ贈呈はおなじみとも思えるが、16年リオ大会と18年平昌大会では調達の困難さなどが理由で実施されなかった。3大会ぶりの復活となる今回のブーケは、「復興」「夏」「伝統」がテーマとなっている。

 五輪用のブーケは「日本の夏」の象徴・ヒマワリ(宮城県産)を中心に、緑色のトルコギキョウ(福島県産)、紫色のリンドウ(岩手県産)、ナルコラン(福島県産)が配された。それぞれの産地が東日本大震災の被災地3県(岩手、福島、宮城)というこだわりも込められている。

 デザインを手掛けた日本花き振興協議会の磯村信夫会長は「世界に評価されている日本の夏の花。それが被災地3県で作られている。世界に誇れる強い思いがある」と語った。

 また、ブーケには大会マスコットのミライトワ(五輪)、ソメイティ(パラ)のぬいぐるみが付けられ、簡単に取り外せる構造になっている。組織委の布村幸彦副事務総長は「選手が記念に持って帰れる。お土産として手元に残り、家族や親しい方々との記憶を共にできる」と説明した。

 なお、本番ではメダルに合わせてマスコットがそれぞれ金色、銀色、銅色となり、メダル総枚数と同じ約5000個のブーケが作られる予定だ。