東京五輪組織委員会は8日、五輪チケット2次抽選販売の概要を発表。競技会場が札幌に移転した「男女マラソン」のチケットは2次抽選販売から除外され、すでに第1次抽選販売で当選した購入者については払い戻しに応じる意向を明かした。

 新国立競技場を発着とする男女マラソンのチケットは今年春にすでに販売済み。だが、先月になって急きょ札幌移転が決まったため、大会組織委チケット担当も対応に大慌てだ。鈴木秀紀マーケティング局次長は「払い戻しを希望する方には検討する」とした上で「まだ会場も決まっていない状況。コースがどうなるか、どういう客席が用意できるか? 決まった段階で具体的にご案内したい」と説明。少なくとも数か月は明確な対応が取れないという。

 現在、札幌では大通公園(札幌市中央区)を発着とする無観客コース案などが浮上しているが、仮に観客席を設置した場合に「東京だから購入したけど札幌なら行けない」という購入者にも払い戻しで対応するとみられる。また、チケットと併せて宿泊施設を確保している購入者への補償や、マラソンを含んだツアーを組んだ旅行会社への対応も今後の焦点となる。

 一方、女子マラソンは同日に新国立競技場で行われる他の陸上競技とセットで売り出されており「マラソン以外の競技を観戦したい方のニーズにも対応したい」(鈴木局次長)という。なお、競歩はもともと客席がないため販売されていない。

 会見ではチケット販売者として「責任」を追及する質問も出たが、古宮正章副事務総長は「責任と言われても困るんですが、少なくとも買っていただいた方に不満が残らないよう対応したい」と困惑。鈴木局次長も「このタイミングでの払い戻しは想定していなかった」と語った。