室伏に難敵〝ドーピング〟選手が競技再開

2012年06月10日 18時00分

 ロンドン五輪で2個目の金メダル獲得の期待がかかる陸上男子ハンマー投げの室伏広治(37=ミズノ)に大きな懸念材料が浮上した。2008年北京五輪でドーピングによる〝メダル剥奪騒動〟が起きた2人の選手が、本格的に競技を再開したのだ。難敵の復帰で日本陸上連盟も推移を注視する事態となっている。

 2人とは、北京五輪で銀メダルを獲得したワジム・デビャトフスキー(35)と、銅メダルのイワン・チホン(35=ともにベラルーシ)だ。北京ではともにメダルを獲得しながら、競技後のドーピング検査で禁止薬物が検出された。このため、国際オリンピック委員会は記録と成績を剥奪。しかし、その後、2人はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服を申し立て、処分は撤回された経緯がある。

 それ以降の活動は明らかになっていないが、ここにきてデビャトフスキーが今年4月28日に、そしてチホンが同5月25日に競技を再開していたことが判明したのだ。すでに国際陸上連盟のホームページでも大会出場の記録が更新された。

 これでは、昨年の世界選手権を制した室伏も穏やかではいられない。室伏の昨年の世界選手権での記録は81メートル24。ところが、チホンは5月25日に82メートル81を叩き出しているからだ。

 日本陸上連盟の等々力信弘・投てき部長はこう懸念を示す。

「CASが(2人の処分を)撤回したのは、検査方法に不備があったからとは聞いたことがある。ただ、北京五輪以降2人の状況を把握できていないんです。五輪に出てくるなとも言えないし…。室伏はやるしかないですからね」

 5月の国際大会「ゴールデンスパイク」ではクリスティアン・パルシュ(30=ハンガリー)が82メートル28を記録したばかり。五輪を前に続々と立ちはだかる強敵たち。アテネ五輪に続く2個目の金メダルに向けて、大きな障害といえる。室伏は日本選手権(8~10日、大阪・長居陸上競技場)に出場するが、にわかに周辺が騒がしくなってきた。