高梨沙羅が見せた天才の片鱗

2013年06月09日 11時00分

 スキー・ジャンプ女子のソチ五輪金メダル候補高梨沙羅(16=クラレ)が、またまた“天才の片鱗”を見せつけた。

 秋田・花輪スキー場ジャンプ台(大きさ=ヒルサイズ86メートル、K点78メートル)を拠点に五輪シーズンへ始動。2次合宿中の3日には練習が公開されたが、課題の着地でのテレマーク姿勢に、はっきりと成長の跡があった。

 従来は着地時に後ろ足にかかっていた重心を、前足に移すことを意識。これでしゃがみ込んだりバランスを崩すことが少なくなり、高梨は「K点に入ると(テレマークが)入りづらかったのが、今は少しずつ入るようになってきた」と手応えを口にした。

 ただ、高梨がオフの後、ジャンプ練習を再開したのは5月4日からの1次合宿で、まだ1か月しかたっていない。そんなに早く課題の着地を改善できるものなのか? この秘密を日本代表のあるスタッフはこう明かす。

「ちょっと練習すればできると思っていました。去年から分かっていたんですけどシーズン中だと疲労もあって、なかなか練習できなかった。そこ(重心)を意識すると、ジャンプ自体が乱れてしまう可能性がありましたからね」

 昨年、高梨はW杯個人総合優勝を果たすため、終盤スネに痛みが出るほど、がむしゃらに突き進んだ。高梨の能力からすれば早い段階での修正もできたが、陣営としてはまず総合優勝を第一とし後回しにせざるを得なかったというわけだ。

 一方、体重を維持したまま体脂肪率を5%減らすなど肉体改造にも成功。前出のスタッフは「女性はどのアスリートも年頃の体形で苦労する。スリムになったということはトレーニングもしっかりしているということ」とむしろこの点を評価。たった1か月できっかけをつかんだ天才少女。やはりモノが違うということか。