“世界の壁”を越えられるか。2020年東京五輪の追加競技として採用されたスケートボードの日本選手権が10日、新潟・村上スケートパークで開幕。スノーボードのハーフパイプで冬季五輪2大会連続銀メダルを獲得した平野歩夢(20=木下グループ)は11日のパーク男子・準決勝に備えて公式練習を行った。

 二刀流の挑戦が始まったのは3月16日の日本オープン(OP)。同大会で3位に入る好成績を収め東京五輪への第一歩を踏み出したが、周囲からは「厳しい道のりになるだろう」という意見が出ている。日本ローラースポーツ連盟の関係者は次のように指摘する。

「日本のパーク種目はまだまだ世界に後れを取っています。そもそも、比較的に背が高くて体の大きな選手が向いている傾向にあります。一方でストリート種目は細身で柔軟性のあるほうが有利。日本人の適性に合ったのは後者と言っていいでしょう」
 
  また、五輪まで1年2か月と限られた期間で世界のレベルに追いつくことも「特にパークは難しいんです」(同関係者)。実際に男子は堀米雄斗(20=XFLAG)、池田大亮(18=ムラサキスポーツ)がすでにストリートで強化選手の条件を満たしているが、パークはいない。さらに平野は身長160センチと小柄で、世界のトップを争うことになれば劣勢に立たされるかもしれない。

 ただ平野自身も以前から「(技術的には)まだまだ」と自己分析している。成長曲線を描き、五輪選考レースを勝ち抜けるか。