日本オリンピック委員会(JOC)が次世代の日本を代表する選手と位置づけた「ネクストシンボルアスリート」の研修会が16日、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで行われた。

 初の試みとなる研修会では、金メダリストの“卵たち”に対してインティグリティー(誠実性、真摯さ)の教育も行われ、近年多発するSNSでのトラブル回避など具体的な講義もなされた。そんな中、若きアスリートから爆笑をさらったのが、講師として登壇した競泳の北京五輪銅メダリストの宮下純一氏(35)だった。

 持参した銅メダルを誇らしげに見せた宮下氏は、ひと回り以上も年が離れた若手選手に対して「僕の現役時代を知っている人?」と問うと、挙手したのはたった1人。これには「ですよね~」と苦笑した。そして、次に自らの現役時代の映像を紹介。その秘蔵VTRは自身が五輪出場を決めた際に「一人でも多くの子供たちに夢を与えられるようなレースができて“うれちぃ”と思います」と、一番大事なところでかんでしまった伝説のインタビューシーンだ。

 宮下氏は「皆さん(インタビューで)絶対にかまないでくださいね。ずーっと残りますから! 毎回、流されるたびに恥ずかしい思いをしますから!」と熱弁。爆笑する選手たちに対し、さらに「言うことを(事前に)決めるのも良くないですが、オリンピック出場を決めたら自分の思いに逆らわず、とにかくかまないように!」と、自らの失敗談を踏まえた説得力満載の“珍指令”を行った。

 若きアスリートたちは笑いながらも、大いに勉強になった様子だった。