バドミントンの全英オープンで優勝した桃田賢斗(24=NTT東日本)が12日、帰国した。

 世界ランキング1位だが、伝統ある大会の男子シングルスで日本勢が優勝を果たすのは初とあって「前からあこがれていた舞台で優勝でき、達成感を感じている」と充実の表情で語った。

 昨夏の世界選手権制覇に続くビッグタイトル獲得の裏には、1月のマレーシア・マスターズ1回戦で西本拳太(24=トナミ運輸)に持ち味の積極性を出せずに敗れてからの“意識改革”があった。「ランキング1位の座を奪われたくないという気持ちで保守的になってしまっていた。1位の人間にしか感じることのできないプレッシャーもあるという思いで優越感じゃないが、ポジティブに試合に入るようにした」

 その意識の変化は、この日で来年の東京五輪まで500日を迎え「プレー的には攻撃面、スピードを磨いていきたいが、『レジェンド』と言われる選手にはまだまだ程遠いと思う。どうやったらなれるか分からないので、コート内外での振る舞いまで考えてやっていきたい」ときっぱり。自ら「レジェンド」というフレーズを使ったコメントからも覚悟がビシビシ伝わってきた。全英Vで「責任感が重くなった」という桃田が、リー・チョンウェイ(36=マレーシア)、林丹(35=中国)らバドミントンレジェンドに東京の舞台で肩を並べる。