リオ五輪バドミントン女子シングルス銅メダルの奥原希望(23)が27日、都内で会見を開き、来年1月からのプロ転向の理由を語った。

 2013年4月から所属していた日本ユニシスを年内で退社。来年1月から東証1部上場の化学メーカー「太陽ホールディングス株式会社」と契約し、個人として活動していくことを改めて発表した奥原は「リオ五輪が終わって東京五輪のことを考えたとき、海外の試合に専念できないか? と考えはじめました。今現在、日本代表の活動日数は250日を超えます。その上に国内の試合となるとケガの多い私にとって、とてもリスクがあり、休息や練習を積む時間が取れず、コンディションを維持するのが精一杯。東京五輪へ向けて、すべての準備をして臨みたいという気持ちをどうしたらいいのか? その答えがプロとして個人の活動に専念することでした」と語った。

 これまで所属していた日本ユニシスとは社員としての契約。今後は太陽HDとプロ契約を結び、東京五輪が開催される2020年12月31日まで支援を受けるという。会見では「どんなときもサポートしてくだり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と旧所属先の日本ユニシスへの思いを、涙をこらえながら話すシーンもあったが、自ら「前例がない」と表現した挑戦に対し「ワクワクしている気持ちと、不安な気持ちもあります。しかし、私が東京五輪までやることは変わりません。私らしく全力で頑張っていきたい」と決意を表明した。

 奥原は大宮東高2年の2011年に史上最年少(16歳8か月)で全日本総合選手権の女子シングルスを制覇。17年の世界選手権で日本人初のシングルス優勝を果たした。

 新しくスポンサーとなる太陽HDはスマホやパソコンなどに使用される緑色の配線板の絶縁素材「ソルダーレジスト」で世界ナンバーワンのシェアを誇っており、佐藤英志代表取締役社長は「この小さな体で自らの技術を磨いて世界ナンバーワンを目指す姿はまさに太陽HDの歴史。今回、奥原さんを支援する形でご提案した」と契約の経緯を説明した。