優勝を置き土産に並里NBA再挑戦

2012年05月22日 14時00分

【バスケットボール】bjリーグのプレーオフ・ファイナル(20日、東京・有明コロシアム)は西カンファレンス1位の沖縄が89―73で東カンファレンス1位の浜松を下し、3シーズンぶりの優勝を飾った。勝因は今夏のNBA(米プロバスケットボール)挑戦を表明している並里成(なみざと・なりと=22)の活躍だ。

 沖縄の2点リードで迎えた第4Qの残り3分。身長172センチ、バスケット選手としては小柄な並里がボールを持ってジャンプした先には、206センチの日本代表センター、太田敦也(27)が立ちはだかった。

 だが空中で2度フェイントをかけ、マークを外して打ったシュートはゴールをスルリ。マイケル・ジョーダンばりの〝ダブル・クラッチ〟だ。残り時間で沖縄が17点を加えたのに対して、浜松はわずか5点。3連覇を狙う〝絶対王者〟の勢いを止めたのは頼れるエースのプレーだった。

 現在のバスケット人気の礎となっているのが漫画「スラムダンク」。作者の井上雅彦氏(45)が主宰する「スラムダンク奨学金」の第1期生として米国留学した。それだけに並里の本場志向は強い。昨夏はNBA挑戦を試みた。これはNBAのストライキの影響で実現しなかったが、日本復帰を決心した時点では規定上、bjでプレーすることは不可能だった。それが「並里を〝浪人〟させるのはバスケット界の損失」というbjリーグの総意で特例が認められ、入札の末に沖縄入りした。

 もちろん、このタイトルを置き土産に今夏、NBAに再挑戦を予定。並里も「今日の自己採点は『85点』。まだ次にステップアップしての目標がありますから」と視線を米国に向けた。一方で「どこでプレーすることになっても『キングスにいてよかった』と思える1年だった」と沖縄への感謝も忘れない。

 この日の観客数9402人はbjリーグ公式戦史上最高。観衆は並里のプレーに酔いしれた。沖縄のエースがbjに新たな〝伝説〟を築いた。