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WBCオランダ監督に“いじめ”過去


94年ロッテのアリゾナキャンプで一人寂しくパンを食べるミューレン監督

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表は8日、東京ドームで行われた2次ラウンド初戦で台湾と対戦、延長戦を制し2次ラウンド突破へ王手をかけた。10日にはヘンスリー・ミューレン監督(45)率いるオランダと決勝トーナメント進出をかけて戦う。オランダは1次ラウンドで韓国を撃破、そして2次ラウンドでキューバに快勝。野球途上国のオランダを強豪国へとのし上げた指揮官には、触れられたくない「いじめ過去」があるという――。

 オランダ代表のミューレン監督は現役時代、ヤンキースでメジャーデビューを果たし、1994年に日本のロッテへ移籍。95年からは2シーズン、ヤクルトでプレーした経験を持つ。引退後の現在はSFジャイアンツで打撃コーチを務めていることから、日本代表の首脳陣は「日本野球を知っていて、しかも(昨年のワールドシリーズを制した)世界一球団の指導者もしている人物。知将であることは、間違いない」と口を揃えて警戒している。

 2012年にはオランダ野球界に多大な功績を残していることが大きく評価され、ベアトリックス女王から「ナイト」の称号を受賞。輝かしい実績を築き上げているミューレン監督だが、実はここに至るまで人に知られたくない暗い過去がある。

 それは同監督が現役だったロッテ時代のこと。26歳で移籍した当時、チームにはもう一人の外国人選手がいた。その名はメル・ホール。7歳年上の助っ人はインディアンス、ヤンキースなどで活躍していたバリバリの元メジャーリーガーだった。ロッテでも主砲として活躍していたホールと比べ、それまでのミューレンの経歴は「月とスッポン」と言っていい。

 3Aを行ったり来たりするような控えレベルだったことで自分との格の違いに負い目を感じたミューレンはホールの前では常に平身低頭。当時のロッテナインはホールから「ヘイ、ジュースを買って来い!」とまくし立てられ、涙目になって小銭を握り締めながら自動販売機の前へと走るミューレンの姿を何度も目撃している。

「ミューレンはホールの“パシリ”だったんだ。それによく『ドント・トーク!(しゃべるな!)』とか言われ、頭を引っぱたかれたりしていたよ。日本流の“カンチョー攻撃”までやられていたからね…。あれはイジられているというより、完全にいじめ。でも、この時の苦い思い出を胸にミューレンは“いつか這い上がってやる”とハングリー精神を養った。それで今の地位にたどり着いたんだよ」と元ロッテ関係者は明かした。とはいえ、ミューレン監督にとって19年前の悪夢は今も脳裏にこびりついているよう。実際、周囲には「オレはホールのことだけは思い出したくないんだ…」と漏らしており、そのトラウマが消えることはない。

 そのホールは07年6月、バスケットボールのコーチをしていた98年と99年に教え子である17歳の少女にわいせつ行為をはたらいたとして逮捕された。さらに14歳、12歳の少女に性的暴行していたことも発覚。09年に有罪判決を受け、禁錮45年を言い渡された。仮釈放まで最短22年4か月かかる。「嫌なヤツ」どころか「凶悪犯」にまで成り下がってしまっているだけにミューレン監督は、ますます記憶から消し去りたいだろう。

 そこで前出のロッテ関係者らからは「侍ジャパンはオランダと戦った場合はベンチ内から『メル・ホール!』と一斉に叫んでみては…」「いや、オランダの打者に捕手が『メル・ホール?』と口にする“ささやき戦術”が効果的。その打者がベンチに戻った際、それをミューレン監督に報告すれば指揮系統は混乱するはずだ」などといった指摘が飛び交っている。

 とはいえ、いくら「絶対に負けられない戦い」でも“侍魂”を持って戦う選手たちにとっては、そんなひきょうなまねなどできるわけがない。ただ、不気味な存在の敵将を必要以上に過大評価することなく「相手も苦手なものや、弱いところのある人間なんだ」と“上から目線”で見下ろしながら戦えるという意味では貴重な情報になるだろう。

 いずれにせよ、打倒・オランダのキーワードは「メル・ホール」となりそうだ。

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