元陸上競技スーパースター選手のウサイン・ボルト氏(32)が12日、フランス上空で行われた無重力体験イベントに招かれ、航空機内のオープンスペースで往復20メートルほどの“無重力走”にチャレンジ。滑空するように走り、他の参加者2人を全く寄せつけず、余裕の1位でゴールした。

 このイベントは宇宙空間でシャンパンを飲めるように設計された特殊なシャンパンボトルを紹介するために企画されたもの。

 陸上男子100メートル、200メートルで世界記録を持つボルト氏と無重力走に参加したのは、フランス人宇宙飛行士のジャン・フランソワ・クレル氏と、シャンパンボトルを設計した商業デザイナーのオクターブ・ド・ゴール氏。

 ド・ゴール氏はこの日、使用された無重力体験ができるエアバス機を所有する航空宇宙企業「ノヴァスペース」の最高経営責任者(CEO)でもある。

“無重力競走”に勝ったボルト氏は、おなじみの矢を射るビクトリーポーズの代わりに、この日は宇宙旅行用ボトルに入ったシャンパンを無重力空間であおむけに浮かびながら飲むシュールな姿を披露した。

 ボトルを開発したフランスのトップシャンパンメーカー「メゾン・マム」は近い将来、宇宙観光が実現すれば、同社のビジネスにつながることを期待している。

 一方、ジャマイカ出身のボルト氏は昨年、陸上競技を引退。サッカー選手に転身することを宣言して大きな話題になった。先月31日にはオーストラリアのニューサウスウェールズ州にあるAリーグ、セントラルコースト・マリナーズの練習生としてプレシーズンマッチに出場し、サッカーデビューを果たした。