スポーツ界でまたパワハラ…日体大駅伝監督解任 鈴木大地スポーツ庁長官「悪い伝統断ち切るチャンス」

2018年09月13日 16時30分

鈴木長官は不祥事続出にも悲観的ではない

 スポーツ界でパワハラの連鎖が止まらない。日本体育大学は12日、陸上部駅伝ブロックの渡辺正昭監督(55)を部員に対する暴力、パワーハラスメント行為で、11日付で解任したと発表した。

 日体大が公表した報告書によれば、7月31日に部員から部長に相談があり、部内で調査を開始。今月3日には部長から文書が提出されたのを受けて大学が調査に入った。学生から聴取した結果、「脚を蹴る」「胸ぐらをつかむ」といった暴力行為が複数確認された。さらに人格を否定するかのような「言葉の暴力」も報告された。渡辺氏は指摘された言動をおおむね事実と認めたものの、こうした行為がパワハラに該当するとの認識がなかったという。このため「学生指導の適性に欠ける」として「解任が相応」と結論づけた。

 それにしてもレスリングの栄和人氏(58)に始まり、体操の塚原夫妻、重量挙げの三宅義行氏(72)とパワハラ行為の告発が相次いでいる。しかも、いずれも名のある指導者ばかりだ。2020年東京五輪まで2年を切った中で、日本のスポーツ界は大丈夫なのか。

 あるオリンピアンはこう指摘する。「それだけ選手の立場が強くなっているということ。“選手ファースト”なんだから、絶対にいい方向には行ってるでしょう。正直、自分たちの頃は(指導者からのパワハラは)当たり前。ぶん殴られたら『ふざけんな』とは思うけれど、やっぱり言い出せなかった。でも、暴力やパワハラがいけないのも当然のこと」

 続けて「これがブームみたいに一過性のもので終わってほしくない。“選手ファースト”が日本にも根付いてほしい」とも話した。指導者の意識を変えるためにも、さらなる“告発”があっていいと言う。スポーツ庁の鈴木大地長官(51)もこの日、「不祥事がどんどん表面化しているが、スポーツ界の悪い伝統を断ち切る意味でチャンス」と述べたが…災い転じて福となす、となるのだろうか。