【体操パワハラ】塚原夫妻ピンチ!体操クラブ“親会社”朝日生命に抗議殺到

2018年09月05日 11時00分

朝日生命体操クラブの存続が危ぶまれている

 日本体操協会の塚原千恵子女子強化本部長(71)と塚原光男副会長(70)がリオ五輪女子代表の宮川紗江(18)にパワハラを行ったとされる問題で、塚原夫妻が指導する「朝日生命体操クラブ」の“親会社”朝日生命に抗議が殺到していることが3日、分かった。先週だけで600件に上り、生命保険の解約予告や塚原夫妻に対し「クビにしろ!」と脅迫めいた声も届いているという。同社は今後を慎重に見守る姿勢だが、塚原夫妻は最大の後ろ盾も失いかねない状況だ。

 塚原夫妻の“大炎上”で、朝日生命がその影響をモロに受けている。塚原副会長が総代、千恵子氏が女子監督を務める朝日生命体操クラブは、宮川が行った8月29日の会見で「最初から速見(佑斗)コーチの過去の暴力を理由に速見コーチを排除して、朝日生命に入れる目的なんだと確信に変わりました」と引き抜き疑惑を暴露された。

 同社に抗議が届き始めたのはその翌日からだった。「先週の木曜、金曜ぐらいに600件ほどあります。肯定的なものはあまりないのが現実」(本社広報)。地方支社や営業への抗議数は含めておらず、膨大なものとなっているようだ。中には「一方的に(塚原夫妻を)『クビにしろ!』とか、多数の意見をいただいております」と怒りに満ちた過激な声も相次いでいるという。

 同クラブは1974年に創設。ただ、現在は「朝日生命」と名はつくものの、2002年から塚原体操センターへ業務委託しており、運営には関与していない。すでに公式サイトに声明も発表している。しかし、その事実が一般に知れ渡っているわけではない。本紙でも8月30日発行で伝えたように体操OB・OGが続々と過去の塚原夫妻による朝日生命への引き抜き疑惑を公言し、逆風は吹き荒れている。

 電話回線がつながりにくくなるなど、業務にも支障をきたす状態。ネット上には生命保険解約を示唆する書き込みも続出している。現段階で実際に騒動を理由に解約の手続きに進んだ例はないというが、甚大なイメージダウンとなった。

 このままでは、さらに深刻な状況になることは明らか。「これからもしかすると(解約が)全くゼロということではなくなるかもしれない」。こう危機感を募らせる同社は本来、クラブの指導体制に口を出す権利はないものの、水面下で塚原夫妻に接触。「宮川選手の会見以降、状況確認を含めて連絡を取り合っている。その中で申し上げることは申し上げているところ」と“直接指導”も行っていることをほのめかした。塚原夫妻が宮川に直接謝罪したい意向を示した突然の手のひら返しの裏にも、騒動を長引かせたくないという“親会社”の意向が働いている可能性がある。

 この日、協会は山本宜史専務理事らがスポーツ庁など4団体を訪れ、速見コーチの暴力問題を含めて謝罪した。一方で、第三者委員会の調査結果が出るまで千恵子氏を続投させる方針で「今のところ、そういう形で考えております」(山本専務理事)。

 千恵子氏は世界選手権(10~11月、カタール)に向け、8月27日から都内で始まった代表合宿の一部を欠席。また、第三者委の調査はメンバーが決まってから最終報告まで2週間程度、時間がかかる見込みだ。被害を受けた宮川が世界選手権出場を辞退し、連日のマイナス報道で「(他の)選手の精神状態もよくない」(山本専務理事)と認める中で不可解な“残留要請”となった。

 塚原夫妻は2日に発表した“謝罪文”の中で宮川へのパワハラ行為そのものがあったかについて「第三者委の判断を待ちたい」とし明確な形では認めておらず、世間からの風当たりは強いままで、命拾いしたとは到底言えない。朝日生命は第三者委の調査にも全面協力を表明し「対処すべきところは対処していく」と念を押した。これでパワハラが認定されれば、塚原夫妻はいよいよ窮地に追い込まれる。

◆協会は仲裁に前向き=日本体操協会の山本専務理事は、塚原夫妻が一転して宮川に直接謝罪したい意思を文書で表したことには「この前、出された部分(反論など)というのを、個人的に自分の感情で言われたということを書かれていたので、そこの部分は反省されてらっしゃるのかなと思いました」と受け止めた。協会が仲介者として両者に対面の場を用意するかを問われると「協会としては宮川さん本人が受けたとしても、取りあえずは第三者委員会の結論を待って、その間に話が合意して『じゃあ、お話ししましょう』という話になれば、そういうことも検討していかないといけない」と前向きに反応した。
 一方でこの日、塚原夫妻からの直接謝罪に応じるのか、宮川サイドからの明確な意思表示はなかった。