日本体操協会は29日夜、都内で会見を開き、速見佑斗コーチ(34)の処分について説明した。

 リオ五輪体操女子代表で“当事者”となった宮川紗江(18)の会見の直後というタイミングだけに、協会幹部によるパワーハラスメントについての質問も相次いだが、山本宜史専務理事は「宮川選手の会見の内容は把握していない」と繰り返した。

 会見の冒頭で同専務理事は処分に至った経緯を説明。「2013年9月の国際ジュニア合宿で顔を叩いた」など、協会が事実認定した暴力行為を次々に挙げた。

 宮川は速見コーチの暴力によってケガをしたことはないと説明しているのに対し、協会は「2016年1月の国際試合で顔がはれた」としている。

 暴力問題については、被害者である宮川への聴き取りは「必ずしも必要とは考えていない」とした一方、協会幹部によるパワハラについては「宮川選手から書面、または面談で正式に話があれば調査する」と説明した。

 また、速見コーチの今後については「真摯に反省し、実績を積んだ後、都道府県協会より申請があれば、再登録を検討することになっている」としている。