【悪質タックル】関学大「あれは誤審」一発退場にしなかった審判も問題視

2018年05月28日 16時30分

試合後、取材を受ける奥野選手

 日本大とのアメリカンフットボールの定期戦で、悪質なタックルを受け負傷した関西学院大QB・奥野耕世選手(2年)が27日、大阪・吹田市の万博フィールドで行われた関西大戦で実戦復帰した。被害選手が復帰できたことはアメフット界にとってひと安心だ。一方、関学大の小野宏ディレクターは本紙の直撃に、日大のずさんな対応に隠れて注目が低くなっている審判の判定を厳しく批判した。

 6日に腰やヒザを負傷した奥野選手は0―7とリードされた第2クオーター終盤、フィールドゴールの際にホルダーとして登場。3週間ぶりの実戦復帰を果たすと、第3クオーターからはQBとしてオフェンス陣をけん引。38ヤードのタッチダウンパスを成功させるなど、パス、ランともにキレのある動きを見せ、逆転勝利に貢献した。

 試合後は取材に応じ「ケガの不安はあったが、意識せず練習どおりに、落ち着いてプレーできました」。負傷の影響については、ヒザに多少痛みはあるが、プレーには影響はなかったという。

 悪質タックルを行った日大のDL宮川泰介選手(3年)については「(本人が)『フットボールをする権利がない』と言ってますが、それはまた違うと思う。本当にうまくて活躍できる選手だと思いますので、フットボールの選手として戻って、グラウンドでルールの中で勝負したい」と語った。

 奥野選手が実戦復帰したことは明るい話題だが、悪質タックルの問題は、日大の不誠実な対応もあって収束の気配を見せない。ただ、日大の対応のまずさばかりに焦点が当たってしまっているが、ビートたけし本紙客員編集長が「動画見たら明らかに反則。それなのに審判も退場にしない。2回くらい反則を繰り返して退場になったけど、本来は1回目で即退場だよ」と指摘したように、審判の対応にも疑問が残る。

 実際、ネット上には「審判はなんで3回も危険プレーをあの選手に許したの?」「最初のエグいプレーのあと、どうして関学側は抗議しなかったの? どうして審判は知らんぷりなの?」といった声も上がっている。

 関学大関係者によると、関西は学生、社会人、それぞれの連盟に審判部があり、試合の審判を担当するという。一方で「関東は日本協会の審判部の中で、学生も社会人もどちらも担当する。その審判部長が6日の試合の担当でした」と関係者。6日の日大戦は東京・アミノバイタルフィールドで行われた。

 世間が疑問に感じるように、悪質タックルの検証では関学大内でも「プレーがひどい」という声と「審判がひどい」という2つの声が出たという。

 関学大の鳥内秀晃監督と小野宏ディレクターは17日の会見で、タックルの際はボールの行方を追っており、見ていなかったと明かしていた。

 この日、小野ディレクターは本紙に「1プレー目は見れていなかったですが、もし目の前で起きてたら大乱闘になっていたでしょう。鳥内監督は、2回目のパーソナルファウルの時に『退場やろ!』と激怒してました」と話した。

 そうなると、関学大が審判に怒りの矛先を向けてもよさそうなものだが、「最初のプレーがあってこその退場であり、指示も含め問題視したのはそちらの方。我々も日大と審判の両方は対応できないので、審判の問題は触れていないだけです。あれは100%一発退場。はっきり言って審判の“誤審”です。アメフットをやっている人なら、100人が100人そう言うと思います」(小野ディレクター)

 関東学生アメリカンフットボール連盟は10日、宮川選手の1回目のプレーについて「試合中に審判クルーが下した『アンネセサリーラフネス(不必要な乱暴行為)』を超えるものである」と発表し、「追加的な処分の内容が確定するまでは、当該選手(宮川選手)の対外試合の出場を禁止する」と処分を決めた。それでも、関学大側は審判を不問としたわけではない。