【麻美ゆま連載7】ファンの歓声で心配が吹き飛んだ

2014年11月24日 12時00分

「人生最大のガリガリ」でもファンの声援で乗り越えた。右は蒼井そらチャン

【麻美ゆま「HAPPY&SMILE」:連載7】現実逃避の旅から帰ってきて抗がん剤治療が始まりました。抗がん剤の詳しい話は後でさせてもらいますが、ついに目標だった恵比寿マスカッツの解散ライブの日が近づいてきたのです。

 ライブが4月7日だったから、それに合わせて3月21日に初めての抗がん剤を打ちました。ちょうどライブ前後が脱毛期になるということで、それならいけると思って。総合演出家のマッコイ斎藤さんとは退院後に話をして、マッコイさんからは「2日間あるライブの2日目の中盤以降なら体力的にもいいんじゃないか」って言われたんですけど、自分としては全部出たかった。CDでソロパートもいただいていたし「最初から出させてください。やりきります」とお願いして、納得してもらいました。

 ライブに出るといっても、いきなりではありません。リハーサルがあります。最初は見学からだったんですが、できる範囲で体を動かしました。しばらくは地毛で参加していたけど、だんだんと脱毛が始まってきて、カツラをすることに。この時点でもまだメンバーには病気のことを話していなかったんですよ。気を使ってもらいたくなかったし、とにかく解散ライブに集中してもらいたいなって。

 実はこの時期の私は人生最高のガリガリ具合でした。それでもお医者さんからは「体力次第だよ」と、ドクターストップはありません。私の方からマスカッツのことを話したら、お医者さんも応援してくれるようになって、ライブ当日に見に来てくれることになったんです。途中で何かあったときのためというのもありましたね。

 当日は午前中に感染予防の抗生物質を飲んでから、会場の舞浜アンフィシアターに向かいました。人前に出るのは1月のイベントが最後だったので、3か月ぶり。登場はリーダーの希志あいのちゃんから「帰ってきたメンバーがいます」と呼ばれる形でステージに立ちました。3か月前よりかなりガリガリになってるから「あれ、ゆまちゃん?」と思われるかなと心配してたんですが、ファンの方の歓声にすべて吹き飛ばされましたね。とにかくここに立てていることがうれしかった。

 特に印象に残ったのはラストシングルの「ABAYO」でした。PVに参加できなかったし、ほかのメンバーはツアーで歌っていたものだけど、私はみんなとこの曲を歌って踊るのは今日が最初で最後のこと。

 アンコールでこの日2回目の「ABAYO」を歌うことになって、ちょうど歌詞の「気づけばホラ 七色染まった」というところを歌った瞬間に、会場全体が七色のサイリウムで染まったんですよ。そんなサプライズは知らなかったから「え?」って思ったけど「こんなにもきれいな景色があるんだな」と、時が止まったというか自分も歌えなくなっちゃって。今でもあのときのことを話すと鳥肌が立っちゃう。一生忘れられない景色です。

 ライブは5時間もあったんですけど、フルで参加できたなんてすごい不思議。ファンの方のパワーがそうさせたのかなって。こうして目標だった解散ライブが終わったんですけど、私の闘いはまだ続いていくんです。