【遠野なぎこ連載8】「未成年」収録中に摂食障害→休業へ

2014年07月08日 18時30分

16歳から始めた一人暮らし。定時制高校に通いながらアルバイトの生活を…

 1995年10月、高校1年生の私はドラマ「未成年」(TBS系)に安西加代子(通称カー子)役でレギュラー出演していました。「未成年」は若者のリアルな姿を描いて人気だった脚本家・野島伸司さんの作品です。このときの撮影で、ちょっとした“事件”が発生したんです。

 次のシーンのリハーサルまでの、休憩時間での出来事でした。ほかの共演者の人たちと気軽な口調でお話ししていたら、当時の所属事務所の担当者からスタジオの片隅に呼び出されて、「今の口の利き方はなんですか!」と怒られたんですよ。

 10分足らずの休憩時間だったので、録音用のピンマイクはつけたまま。そのマイクを通じて、担当者の人は私の発言内容をチェックしていたんです。それまでも自分から積極的に話しかけるタイプではなかったけど、この出来事があってからはますますほかの共演者の人たちと話せなくなってしまいましたね。

 さらに、その後の私の運命を左右する大きな出来事が起こったのも「未成年」の撮影中のことでした。「未成年」の放送開始後に私は16歳の誕生日を迎えることになります。この年代の少女の特徴として、体が丸みを帯びることが挙げられると思うのですが、私も例外ではありませんでした。「未成年」の収録中、私の体つきは丸みを帯びていたんです。

 母親に相談すると…。「やせたいのだったら、吐けばいい」と言われました。この言葉を受け入れた私は、「未成年」の収録期間中に食べては戻し――という悪循環に陥ってしまったんです。この悪循環は撮影終了後も収まらず、自分でも「これはおかしい」と気づきました。

 少したってから、精神科できちんと診察してもらいました。その結果、「摂食障害」と診断されたんです。先生の診断では「長期間、お仕事はお休みしなさい。しばらく休まないと、命が危険です」。このときの診断を受けて、この年の年末から長期間、休業することになったんです。

 ドクターストップがかかると、私は環境を変えるために一人暮らしを始めることにしました。神奈川県内に六畳一間のアパートを借りて、定時制の高校に通いつつ、アルバイトをする生活です。主治医の先生からは長期間の休業を命じられているので、お芝居はできません。それでも、実家からの仕送りは一切なかったので、生活費を稼ぐためにバイトはしまくりましたね。

 16歳の時からのバイトですから、年齢制限のある職種もありました。それでも当時は年齢をごまかして、いろいろなバイトをやったものです。有名デパートでファッション関係の売り子をやったことも、今になってみれば思い出のバイトのひとつですね。

 一人暮らしは、いろいろな意味で大きな経験になりました。バイトを通じて数多くの職種を経験し、後にお芝居の役作りに役立ったこと。ほかにも、いろいろなことがありました…。