「居酒屋会議」が効率的な理由

2012年06月21日 14時00分

 しゃべりたがりの面倒なオッサンを除き、おそらく会議が好きだというサラリーマンは少ないだろう。「積極的な発言もなく、結論が出ぬまま5時間超」「上司の独演会が2時間」などつらい経験をした方も多いはず。しかし最近、場所や形式にとらわれない〝新しい会議〟を行う会社が増えているという。究極形は居酒屋で会議。一体、どういうこと!?

 まず言っておこう。会議がうまくいかない最大の原因は、「この会議は何のために開くのか」という目的が参加者に共有されていないからだ。
「この会議、俺にとって何の意味があるんだよ?」と思っている感覚こそ〝正解〟で、実は参加せずに報告を受けるだけで十分なケースも少なくない。

「できる人は満員電車に乗らない」(KKベストセラーズ)の著者でコンサルタントの松尾昭仁氏も「参加しなくてもいい重役が顔を出してしゃべり続けるのが最悪の会議ですね」と苦笑いする。

「同様に議題がない定例会議もムダです。会議には、参加者に納得感を与えたり、モチベーションを上げたりするなどコミュニケーションの機能もあります。だから、あらかじめ終了時間を決めておいたほうが、部下も活発に議論しやすい。実際、若手がユニークなアイデアを創出し続けるような企業は会議の環境づくりにも工夫を凝らしていますよ」(松尾氏)

 例えば、検索エンジン最大手「グーグル」では会議の際、プロジェクターにタイマーを映し出し、参加者の集中力をアップさせる手法が有名だ。また、多くのIT企業は人が集まる場所として食堂を徹底活用している。ビリヤードやゲームが楽しめる会社もあり、〝リフレッシュの場でありながら即席会議もできる空間〟と捉えているのだ。

 そんな中、堂々と居酒屋で会議を行う「ちょこっとセミナー」というユニークな試みが話題を呼んでいる。一体どんなものなのか。

「営業開始前の居酒屋をセミナー会場や会議室として活用していただき、その後に懇親会や宴会場として引き続きご利用いただくことで、移動時間やコストを軽減させるサービスです」と説明するのは、同サービスを提供する有限会社シンボリックスの新堀勇一氏。

 例えば、午後3時から始めれば2時間会議を行い、午後5時から2時間飲み放題付きの宴会がスタート。開始時間も自由に選べてお値段一人当たり3500円~。(株)コロワイドが運営する居酒屋「北海道」「甘太郎」など全82店舗から好きな場所を選べるほか、会議中のソフトドリンクも無料で、電源も完備されている。一部店舗では、無線LANやプロジェクター、マイクも用意できるからデジタル機器を使っての会議もOKだ。

「セミナー主催者の利用を想定していましたが、普通の企業の方が社内会議の場所として利用するケースも増えています。会議の時間が2時間と決められているので、『終わりの時間が見えていると集中して会議に臨むことができた』とご好評いただいております」(新堀氏)

 終業後に会社を出て同僚と酒を飲みに行くと、つい愚痴っぽくなってしまいがちだが、会議の余韻が冷めないうちに生ビールが運ばれてくるので、その後も会議の議題に関して自由闊達な意見が飛び交うことが多いという。そもそも中高年は会議が苦手な上に、最近の若者は飲みに誘いづらい。〝居酒屋会議〟はそんな現代だからこそ生まれたスタイルなのかもしれない。