森友学園をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題で、佐川宣寿前国税庁長官(60)と並ぶ最重要人物で安倍晋三首相(63)夫人の“アッキー”こと安倍昭恵氏(55)の直近の肉声をキャッチした。一連の問題で責任を痛感しているのかと思いきや、当人は至って元気。「私も真相を知りたい」と訴え、ネット記事を片っ端からチェックしている。学園の中心を担った籠池夫妻とのやりとりについては「どうしてもふに落ちないことがある」と、直談判も辞さない構えだとか。一方、近畿財務局職員の自殺を伝え聞いた際は、その場にしゃがみ込んだという。

「安倍昭恵さんという存在が、政権に迷惑をかけたことは事実だ」

 28日に都内で行われた講演で、こう異例の発言をしたのは、自民党の竹下亘総務会長(71)。竹下氏は党内第3派閥の額賀派の後継会長に就任予定の実力者だ。同氏はその後「関与していたことと迷惑をかけたことは違う。何らかの関与があったら、安倍総理は辞めていた」とフォローしたが、ついに党内からも公然とアッキー批判が飛び出した。

 昭恵氏は一連の森友問題で、27日に証人喚問が行われた佐川氏と並ぶキーマンだ。学園前理事長の籠池泰典被告と夫人の諄子被告に勧められるがままに、開設を目指した小学校の名誉校長に就任。国有地の払い下げでも、昭恵氏の名前が財務省に忖度を働かせる動機になったともいわれる。付いたあだ名は「善意のモンスター」。それを証明するかのように、この日、夫の安倍首相は参院予算委員会で、昭恵氏が務めていた名誉職が計55件あったと明かした。

 名誉校長・園長の役職に就いていた学校と保育園は前出の森友学園が新設予定だった小学校と、学校法人「加計学園」の認可外保育施設の計2つ。これには与党関係者も「いくらなんでも55件は多すぎ。彼女はお願いされたら断れないタイプで、そうした人のもとに有象無象が集まる。多くが彼女を利用していたのだろう」とため息まじりに話す。

 とはいえ、肝心の昭恵氏が事の重大さに気付いていないのだから厄介だ。最近の昭恵氏を知る人物は「世間から叩かれ、多少落ち込んではいるが、基本的には元気。森友問題について、しきりに『私も真相を知りたい』と話し、証人喚問が決まるのなら、本人は応じる構えを見せている。何が飛び出すかわからないため、周囲は阻止しようと必死です」と話す。

 日課はネットサーフィンで、出典不明の森友記事を食い入るように見て「もしかしたら…」と思いをはせることも。

「ほとんどがオカルトまがいのガセ記事です。でも彼女はそういった記事にものすごい反応を見せるんです」(同)

 森友問題を独自解釈する文化人に、フェイスブックを通じて直接連絡を取ることもあるという。

 決裁文書改ざん問題では、近畿財務局に勤める50代男性が7日に自殺。一報が流れた9日、昭恵氏は何事もなかったかのようにフェイスブックを更新し、世間の批判を浴びたが、後に自殺者が出たことを知り「その場にしゃがみ、祈りながら泣きました」と話したという。

「ただし、その話は一部メディアに『年中泣いている』とねじ曲げられて伝えられ、本人はショックを受けていたそうです」(同)

 森友学園をめぐる籠池夫妻とのやりとりでは、首をかしげながら、次のように話したとも。

「ある日を境に籠池さんの奥さまが私の電話に出てくれなくなったんです。何度電話してもつながらない。その間にいろいろなことが進められていたのではないか。その間に何があったのか奥さまに聞いてみたいです」

 これは一連の問題に大きく影響する“重大証言”の可能性もあるが…。

「佐川氏の証人喚問も終わり、政府・与党は収束モードに突入。このタイミングでアッキーに新たな爆弾を投下されてはたまったものではない」とは前出の与党関係者だ。

 それでも何か“やらかす”のがアッキー。真相が語られる日はやってくるのか。