熊本市議会は26日、兼業禁止規定に抵触した北口和皇(きたぐち・かずこ)市議に「議員資格はない」とする議案を採決し、全会一致で可決。北口氏は失職した。同氏が一躍、全国区となったのは、市職員へのパワハラだった。社会問題となりながらも各議会でパワハラが横行している。

「私の逆鱗に触れんと思わんと?(思わない?)」「もー腹んたつ(腹がたつ)」。昨年、北口氏が熊本弁で市職員をどう喝する様子が伝わり、騒動となった。これまで3度辞職勧告されていたが、“別件”でついに引導を渡された。

 同日、森友問題で揺れる永田町でも、参院予算委員会で立憲民主党の福山哲郎幹事長の質問が物議を醸した。答弁に窮する太田充理財局長に対し机を叩きながら「子供じみた弁解しちゃダメなんだよ」「フェイク答弁にフェイク答弁を重ねても真実は出ない」と大声を上げた。この日はNHKで中継していただけにネット上では「公開パワハラじゃないか」と驚いた人も多かったようだ。

 永田町関係者は「野党なので性質上、追及型の質問になるとはいえ、福山氏や民進党のK氏、希望の党のY氏は、上から目線で言葉遣いもひどい。役所ヒアリングは、もう怒号が飛び交う修羅場です。役人がノイローゼになるのも無理はない」と指摘する。

 パワハラは今に始まった話ではないが、野党議員に顕著だという。

「与党でもパワハラ議員はいるが、アメとムチを使い分け、たいていは役人と信頼関係がある。それに対し、野党はただ威張り散らすだけ。民主党が政権を取った時もムチだけだったから官僚を使いこなせず、あっという間に崩壊した」(同関係者)

 昨年、後藤祐一衆院議員(当時民進党、現希望)が防衛省の女性職員へのパワハラで謝罪に追い込まれた。安倍政権の支持率が下落している中、ポイントを稼ぎたい野党は「真相解明」「国政調査権」をかさに着て、パフォーマンスに熱も入るが、このご時世でパワハラはもってのほか。後藤氏の謝罪や北口氏の失職劇も人ごとではなくなる。