【森友文書改ざん問題】太田理財局長をキレさせた問題議員はどんな人物?

2018年03月21日 07時00分

与野党から追及される太田局長(ロイター)

 学校法人「森友学園」への国有地売却に関連する財務省の決裁文書改ざん問題をめぐって19日、参院予算委員会で集中審議が行われた。自民党の和田政宗参院議員(43)が、出席した太田充理財局長(57)に対し「アベノミクスを潰すために変な答弁をしている」と、陰謀論に近い言いがかりをつけた。これには太田氏も顔を紅潮させ、猛反論。実はこの和田氏、朝日新聞叩きの急先鋒で、一連のスクープ報道の裏で大失態を演じた“トンデモ議員”で知られる。自民党の見識が問われている――。

「それはいくらなんでも! それはいくらなんでも! ご容赦ください」

 太田氏の顔は怒りで紅潮していた。この日行われた一連の改ざん問題に関する集中審議。ハイライトは2つで、1つは共産党の小池晃氏が安倍昭恵夫人の名前がなぜ決裁文書にあるのか問いただした時だ。太田氏は「首相夫人なので」と回答。昭恵夫人が特別な存在であることを半ば認める発言で、議場では「おぉ~」と驚きの声が上がった。

 もう1つは和田氏が繰り出した“陰謀論”。

「まさかとは思いますけど、太田理財局長は民主党政権時代に野田総理(佳彦前首相)の秘書官も務めていて『増税派』だから、アベノミクスを潰すために、安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているんじゃないですか」

 それまで淡々と答弁した太田氏だったが、この質問の最中は首を大きく横に振り、怒り心頭といった様子。

 太田氏は「私は公務員として、お仕えした方に一生懸命お仕えすることが仕事なので、そんなつもりは全くありません。それはいくらなんでも、それはいくらなんでも… ご容赦ください」と完全否定した。

 太田氏が連呼したように、和田氏の質問は「いくらなんでも」飛躍しすぎ。これには野党からも批判の声が相次ぎ、民進党の増子輝彦幹事長は「こんな質問自体、政治家として恥ずかしくないのか!?」と糾弾。立憲民主党の福山哲郎幹事長も記者団に「非常識極まりない、情けない」と吐き捨てた。

 和田氏は元NHKアナウンサーで、2013年に退局し、同年の参院選にみんなの党から出馬し、当選。その後、自民党に移り、現在は同党広報副本部長を務める。

 同氏を一言で表すならば「熱心な安倍シンパで、朝日新聞叩きの急先鋒」。朝日新聞が決裁文書の改ざんをスクープした直後、和田氏はツイッターで「証拠はあるのか?」「別の決裁文書と間違えていないか?」などと記事の信ぴょう性に疑問を投げかけた。

 ところが、財務省が改ざんを認めると一転「財務省が『書き換えた』可能性と『書き換えていない』可能性は半々と、私は報道当初から見てきた」と言い訳に終始。

 12日に「私の分析についてのおわび」と題したブログをアップしたが、朝日への謝罪はなく「今回は財務省による証拠隠しを、政治の力で防いだことになります」として「私が見つけた説明のおかしな点はおそらく誰も気付いていませんが、政権幹部には報告しています。この点も財務省に徹底調査を求めるきっかけの一つになったかもしれません」と、自分の手柄であるとアピールし始めた。

 昨年には、朝日批判のフェイスブック投稿を首相がシェアしたことでも注目された。和田氏を知る永田町関係者は「朝日叩きで名を上げ、官邸も一定の評価をしていたが、陰謀論に感化されやすく、太田氏への質問も目立つためではなく、本当に彼がそう思っているから質問したそう。手に負えない」と語る。
「問題なのは、彼のような人間を質問者に選んだ自民党。モラルを疑う」(野党関係者)

 こうしたミスキャスティングも政権崩壊への序章をなすのか――。