アントニオ猪木参院議員(75=無所属クラブ)が8日、参議院予算委員会で、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題をめぐる決裁文書の書き換え疑惑での財務省の“ゼロ回答”に怒りを爆発させた。

 財務省は、参院予算委員会理事会に問題の決裁文書「原本」のコピーを提出した。ところが、元の文書に関しては「大阪地検特捜部に提出済み」とし、コピーの中身は、すでに野党国会議員らに開示した文書と同じだった。

 決裁文書の書き換え疑惑は「継続して調査中」とした。参議院の野党6党(民進党、共産党、立憲民主党、自由党、社民党)は「1ミリどころか、0・1ミリも前に進んでいない!」と猛反発し、予算委を6、7日に続いてボイコットした。

 8日、毎日新聞は近畿財務局への情報公開請求で入手した決裁文書で、財務省が国会に提示した文書とはまた別の文書に「本件の特殊性に鑑み」「学園に価格提示を行う」などの新しい表現があったと報じた。

 同予算委員会で維新の会・浅田均氏の「毎日新聞の報道は、国会に提出した文書と違うのか?」という質問に財務省は「参院理事会に提出した文書の中にある一つ」と答弁。2日に朝日新聞が報じた決裁文書とは別の文書が判明し、混乱した。

 猪木氏は「インディアンはうそをつかない。国民は(財務省のゼロ回答に)納得していない。森友・加計問題で(政府は)もっと情報公開すべきだ。国民の知る権利を侵害している」と批判した。

 菅義偉官房長官は「国民の知る権利は憲法で保障されている」と説明。猪木氏は「財務省が文書を破棄、改ざんしていた場合はどうするつもりなのか。(森友学園には)国民の血税が使われている。(真実を示し)早急に国会を正常の状態にしてもらいたい!」と強く要求した。

 続けて北朝鮮問題、ロシアのプーチン大統領の年次教書演説などについて質問した猪木氏は「最後に…国民に元気を与えるはずの国会がこんな状態では絶対にいけない…。もう一度、『元気ですかーー!』」と叫んで締めくくった。