立憲民主党の枝野幸男代表(53)は4日、国会内で年頭のぶらさがり会見に応じ「右でも左でもなく前に進んでいく」と安倍政権との対決姿勢を鮮明にした。草の根を売りにする枝野氏だが、発信方法には疑問の声が噴出している。

 この日、安倍晋三首相(63)が憲法改正に取り組む姿勢を改めて示したことに枝野氏は「国民のためにプラスになる改正ならば積極的に対応したいが、現時点では安倍さんの趣味でしかない」とバッサリと切って捨てた。

 昨年末から民進党が希望の党、立民との3党による統一会派結成の呼びかけをしたことも改めて拒否した。蓮舫元行革刷新相(50)や山尾志桜里衆院議員(43)が昨年末に入党し、国会論戦の論客も揃えただけに枝野氏は強気一辺倒だが、自身の権威付けも忘れていない。

 昨年10月の衆院選後、枝野氏は日本外国特派員協会や日本記者クラブで1度ずつ記者会見を行ったが、党主催の会見は開いていない。この日の会見も、質疑応答こそあったが、枝野氏の横で代表質問者がマイクを向ける“ぶら下がり方式”で、記者会見のスタイルではなかった。

 定例会見を開かない理由を枝野氏は昨年、多忙に加え「野党第1党の会見の頻度は、首相と同じぐらいであるべき」と主張。党幹部も「会見が多いと発言に重みがなくなる」としていた。

 もっとも、定例会見を開かないのは追及を恐れていたとの見方が大勢だ。スキャンダルを抱えたままの山尾氏入党や、枝野氏の同志で当初は立民で当選した青山雅幸衆院議員(55)のセクハラ疑惑、元TBS記者に対する伊藤詩織さんのレイプ被害告発問題をめぐる対応など立民の支持率が下降しかねない問題が山積していた。

 永田町関係者は「SNSに比重を置き、生の発言は控えるというのは逃げているだけ。希望と民進が統一会派を組めば、野党第2党に転げ落ちかねない危うい立場で、首相と同じにしろとは、おこがましいにもほどがある」とあきれている。