小池都知事の勢い止めた「排除リスト」の謎

2017年12月28日 17時00分

天国と地獄を見た小池都知事は今、何を思うか

 2017年の政界をにぎわせたのは小池百合子東京都知事(65)をおいて他にいないだろう。築地市場移転問題で都議会が石原慎太郎元都知事(85)を百条委員会に引っ張り出す“原動力”となり、7月の都議選では「都民ファーストの会」を率いて圧勝。その余勢を駆って10月の衆院選で「希望の党」を立ち上げたが、序盤で失速し“国政退場”を余儀なくされた。そんな天国と地獄を見た小池氏を2つのトリビアで振り返る。

【マック赤坂氏の予言】

 今年は都議選も含めて上半期は小池旋風が吹き荒れ、どこのメディアも小池氏を持ち上げ続けた。その中で小池氏の“本質”を鋭く指摘していたのが、都知事選候補の常連で知られる「スマイル党」総裁のマック赤坂氏(69)だ。

 スマイルダンスで変わり者扱いされるマック氏だが、街頭に立ち続けるだけでなく、都議会にも足を運び、小池都政をウオッチしていた。自ら都議選に出馬した際、マック氏は、街頭演説や本紙の取材に“小池氏の正体”をこう説いていた。

「小池さんっていうのは口だけの自分ファースト、選挙ファーストなんです。都知事になって1年たとうとしているけど、(築地市場を)豊洲に移転できないし、都政は何も変わっていない。伊藤忠商事の社員(マック氏は同社出身)なら1年たって決算赤字だったらクビですよ。小池さんは風見鶏で、権力者のヒトラーに見える。『都民ファーストの会』じゃなくて『都民ファシストの会』。言い方は良くないけど、だまされる都民も愚民だよ」

 都議選圧勝の翌日に小池氏は都民ファ代表を辞任し、当選したばかりの都議もあぜん。そして3か月後の衆院選前にようやく小池氏の独善ぶりに愛想を尽かした都民ファの都議2人が離党届を叩き付けたのだった。

【排除リストの出所】

“小池フィーバー”によって首相の座も見え、色気を出した小池氏は大勝負に打って出る。民進党を丸のみする形での大仕掛けで永田町は大揺れとなった。

 すると民進党が事実上“解党”になると判明した直後から、永田町では希望が受け入れない民進党の議員の名前が掲載された「排除リスト」が出回った。

 菅直人元首相(71)や辻元清美氏(57)らの名前が記され、小池氏の「排除」発言が追い打ちをかけた。当初「排除リスト」は“希望の内部情報漏れ”“小池氏側のリーク”説が有力だった。

 さらにリスト掲載者の名前は増え、疑心暗鬼となった枝野幸男氏(53)や長妻昭氏(57)らは立憲民主党を結党し、野田佳彦元首相(60)や岡田克也氏(64)らは無所属での出馬を表明した。

 振り返れば、リストに名前が記された中で希望からの出馬はゼロだった。排除リストが出回らなければ、立民の立ち上げは遅れ、全国規模での出馬は間に合わなかったともいわれる。

 総選挙では希望と立民が票を食い合い、当初は希望の勢いに押されるとみられていた自民党が快勝した。小池氏の希望は235人を公認しながら、50議席(公示前57議席)止まりで「排除発言」で墓穴を掘る形となり、その後、失速。夢破れた小池氏は11月14日、「国政については国政の皆様に任せたい。創業者の責任として代表としてスタートしたが、代表の座を降りさせていただく」と党代表を辞任した。

 一方、野党第1党となった立民は評価を上げ、今月26日には民進党元代表の蓮舫参院議員(50)、倉持麟太郎弁護士(34)との不倫疑惑で揺れながら議席を得た山尾志桜里衆院議員(43)までも入党を果たした。

 小池氏の野望を打ち砕いたともいえる“1枚の紙”。希望側は排除リストの作成自体を否定し、ほくそ笑んだのは官邸側だったが、いまだにその出所は不明である。