民進党の有田芳生参院議員(65=比例代表)が離党し、枝野幸男代表(53)率いる立憲民主党への入党を希望している騒動は野党のバラバラ感を鮮明にしている。

 有田氏は11日、民進党本部を訪れ、離党届を提出。年内に立憲民主党への入党手続きを取る。離党理由について「私の思想、価値観に近い政党は何かという判断をしたときに、残念ながら民進党よりも立憲民主党のほうが近かった」と説明した。

 参院ではさらに、民進党と会派を組む川田龍平参院議員(41)も立民に入党届を提出した。

 この日、会見した民進党の増子輝彦幹事長(70)は「有田氏の離党をどう取り扱い対応するか、現時点では白紙。離党は非常に残念な結果で、とてもつらい思いだ」と話した。

 しかし、党内では有田氏の離党に「彼は比例代表の選出の議員だ。個人の得票じゃなく、政党の得票数で国会議員のバッジをつけた。辞職するべきではないか」と怒りの声が上がっている。

 立民は、年末までに他の野党(民進党、希望の党、無所属クラブなど)から入党する国会議員が増えれば、来年1月1日の議員数が基準となる政党交付金の額が跳ね上がることになる。

 民進党のある国会議員は「立民は、衆院選直前にできたばかりの政党で、金欠状態。先の国会期間中、舞台裏で衆参問わずわが党や希望、無所属クラブの元同僚らに、入党の誘いともとれる発言をしていると聞いた。政党交付金を目的とした行為。まともな政党とは思えない」と打ち明けた。

 とはいえ、その民進党も揺らいでいる。この日までに東京都連に所属していた43人の都議、区議、市議が離党していたことが判明。大塚耕平代表(58)は同日、周辺に「解党して新党を立ち上げる」との考えを示唆した。

 衆院の岡田克也常任顧問(64)ら党所属の「無所属の会」の反発は避けられないため不透明だが、立民や希望との共闘どころの話ではなくなってきた。