自民党は31日、無料通信アプリLINE(ライン)で安倍晋三首相(63)のキャラクタースタンプ「思ったより使える♪総裁スタンプ」の無料配信を開始したと発表した。

 党公式アカウントの友だち追加でスタンプを無料配布するのは、政党で初の試みで、全部で8種類ある。日常会話の「おはようございます」「お疲れさま」「おめでとう」などが使われている。

 LINEは国民の半数以上の約7000万人が活用している。そのため今回の無料配信は、党の情報発信やアンケート機能を使い、国民の声を聴くツールとして活用するのが狙いだ。

 この日、党本部で会見した広報本部長の平井卓也衆院議員(59)は「LINEは国民の生活インフラになっています。支持率を分析したときに、自民党や安倍総理の良さがあまり伝わっていなかった。40代主婦の方々にアプローチしていきたい」と話した。

 政党の中でLINEの友だち数が多いのは、公明党の21万人。先の衆院選で野党第1党に躍進した立憲民主党は、ツイッターフォロワー数が短期間で18万人を突破して話題を集めた。

「自民党がLINE活用で他党に後れを取っているのは事実です。実名制のLINEの方が、匿名制のツイッターよりも国民と強いつながりが持てると考え、LINEに注力すべきだと判断した」と平井氏は説明した。

 LINEの実名率は6割以上とされ、ツイッターの実名率は2割そこそこだ。

 自民党の国会議員でLINEスタンプといえば、来年秋の総裁選で“ポスト安倍”に意欲的な元地方創生担当相の石破茂氏(60)をキャラクター化した「イシバくん」が有名。昨年11月に配信が始まり、1セット(40図柄)120円で販売された。

 平井氏は「無料スタンプの配布期間が終わった後だが、新しい自民党キャラクターを作り、有料スタンプにするかもしれない」と明かした。

 今回のLINEスタンプ配信について安倍首相は「(情報発信には)ラインがいいね!」とコメントした。

 女性支持層の獲得につながるか。