ドタバタ野党どうなる 元衆院議員で3党経験・椎名毅氏に聞く

2017年10月26日 17時00分

枝野氏率いる立憲民主党は大躍進

 衆院選は自民党の圧勝に終わり、公示前に小池百合子東京都知事(65)が結成した希望の党は“排除発言”で失速の末に大敗し、“排除”された旧民進党議員が立ち上げた立憲民主党が躍進した。小池代表は25日の両院議員懇談会で続投を表明し、分裂した民進党は27日に両院議員総会を開くが、いったい野党はどうなるのか。みんなの党、結いの党、維新の党と政党の離合集散を体験した元衆院議員で弁護士の椎名毅氏(41)に聞いた。

 椎名氏は2012年の衆院選で、みんなの党所属で神奈川9区から出馬。小選挙区では敗れたものの、比例で復活当選した。その後、結いの党、維新の党と渡り歩き、14年の衆院選で落選した。今回の衆院選には「野党のゴタゴタに付き合いきれず、無所属で活動していたが、弁護士の仕事が多忙で都合もつかなかった」と出馬を見送った。

 今回の台風の目になるとみられた希望の党だが、小池氏の“排除”発言が反感を買って失速した。

「そもそも、都議選時の都民ファーストの大勝は、公明党との選挙協力が明確にできていたから。12年の維新も大阪ではすみ分けができていた。だが、国政では組めないのだから過度の期待はできなかった」(椎名氏)

 一方“排除”された民進党議員で結成した立憲民主党は55議席を獲得。野党第1党の座を得た。

 同党の躍進について、椎名氏は思想的には合わないとしつつも、枝野幸男代表(53)に対しては「どうしようもない民主党政権内で、官房長官として原発事故の対応に当たった。前原誠司さんは『言うだけ番長』とか、細野豪志さんは『不倫』とか批判がありましたが、枝野さんはクリーンな印象を保って、世論のネガティブ感情も少ないと思う」と評価した。

 バラバラになった野党だが、さらなる再編が起こるのか。椎名氏は「政権交代可能な2大政党を実現するといっても、実現した後の世界観で合意が取れないから結局バラバラになる。1993年の細川連立政権も、民主党政権もそうだった。国民はそれを見通してるし、構図は変わらないと思う」と指摘。

 希望の党主導の再編には、都知事の職にある小池氏の目が国会運営にまで届かないとして「希望には旧民主党の人が多いので、従前の民主党のような国会対策になってしまうのでは。それに『政権交代可能な保守』って何ぞやという話にもなる」と懐疑的な目を向ける。続けて「純化された立憲民主党の方が、自民党との対決姿勢が明確で分かりやすい。立憲に収束していくのでは」との見通しを示した。それでも、立民を支援する労組・連合の弱体化もあって、政権交代までは難しいとみている。さらに立民支持者の年齢層が高いのに比べ、若年層は自民支持が優勢だ。

「立民を支持する団塊世代の人は安保反対など、イデオロギーの感情論のところもあるが、若い人には関係のない話。本当に景気が良くなってるかの実感は別にして、就職も確実にしやすくなっているから、現状に満足しているんでしょう」(椎名氏)

 自民党の1強となったことで政界再編も遠のいたことには「かつての自民党の派閥にはイデオロギーの差があり、自民党内で事実上の政権交代と同じような状況が起きていた。それが、公認権を握っている総理総裁・幹事長ラインの言うことを聞かなきゃいけない議員さんばかりになって、自民党内の多様性がなくなってきた。石破茂さんのような方が外に出れば変わるかもしれないが…」とみており、今後20年は政界に変動はないとみている。