安倍晋三首相(63)がドナルド・トランプ米大統領(71)の来日(11月5~7日)時に展開する“ゴルフ外交”に「北朝鮮トップの金正恩氏がビビった」との衝撃情報が流れてきた。一方、北朝鮮の庶民は“トランプ好き”が高じて、治安当局が取り締まりに手を焼いているという。

 本紙で昨報した安倍首相とトランプ大統領のラウンドは、2020年東京五輪の競技会場となる埼玉県川越市の霞ヶ関カンツリー倶楽部が会場に決定。男子ゴルフ世界ランキング4位の松山英樹(25=LEXUS)が同伴する。

 今年2月、安倍首相は米国のホワイトハウスで首脳会談を行った後、トランプ氏の別荘があるフロリダでともに初ラウンドを楽しみ、親密さを世界にアピールした。報道陣には一切公開されなかったが、メジャー4勝のアーニー・エルス(48=南アフリカ)が同伴したという。

「安倍首相は、昨年11月にトランプ氏にプレゼントした“黄金色ドライバー”について『(トランプ氏は)練習で使用したが、本番(ラウンド)で使わなかったよ』と笑顔で話した。松山プロが同伴するラウンドは、強固な日米関係を北朝鮮にアピールする絶好の機会となる」(政府関係者)

 23日、衆院選の大勝を受けて自民党本部で会見した安倍首相は、トランプ氏を迎えて開かれる日米首脳会談に「北朝鮮の核、ミサイル発射などの脅威についてたっぷり議論したい。拉致問題解決は、国際社会と連携し、ブレることなく前に進めていく」と意気込みを語った。

 両首脳の親密な関係をさらに深めようと安倍首相が打ち出した“ゴルフ外交”には北朝鮮が「ビビった」という。北朝鮮は、米領グアム周辺に向けて長距離弾道ミサイル発射を行う計画を公表する命懸けの交渉術で、非公式に米側と接触しようとしたが、失敗に終わったからだ。

 平壌情勢問題に詳しい関係者は「米国側は、北朝鮮側が核を廃棄しない限り、正式な会談に応じないとバッサリ。そんな中、北朝鮮側は、安倍首相がトランプ氏と拉致被害者家族との面会をセッティングした政治手腕に舌を巻いた。ゴルフ外交の実現は日米首脳会談の成功を意味する。トランプ氏は“金正恩斬首作戦Xデー計画”を首脳会談のテーブルに出すとみられる」と明かす。

 とにかく、正恩氏は斬首作戦を恐れている。同氏が委員長を務める朝鮮労働党中央委員会は18日に開幕した中国共産党大会に宛てて祝電を送り、中国との党間交流を続ける意思を示していた。

「北朝鮮が中国に接近した理由は、斬首計画の中止を求めてのことだ」と同関係者。

 トランプ氏に“ロケットマン”と批判された正恩氏。安倍首相との話し合いに応じたい意向もあるというが、これとて核を破棄しない限りムリな話だ。

 一方、北朝鮮の庶民は“トランプに夢中”だという。

 北朝鮮ではギャンブルは禁止で、摘発されると3年の強制労働が科されると言われる。しかし、庶民は危険を冒してもギャンブルに手を出してしまう。

 脱北男性(40代)によると、娯楽の少ない北朝鮮では公園や路肩のちょっとしたスペースがあれば、すぐトランプゲームが始まるという。

「4人1組で遊ぶ。朝鮮では昔からトランプが愛されてきた。かつては財布の中に入ってる程度の賭け金で遊んでいたものだが、最近はうまく金儲けして財をなした人が多くなり、1回の賭け金が巨額になっている」

 同時に徐々にルールが複雑かつ過激になり「カッとなった人が全財産をぶち込んだり、ツケが横行して『後で払う』と言って夜逃げするといった詐欺が多発するようになった」という。庶民の生活を左右するような社会問題になっているとか。

 正恩氏が北朝鮮メディアを通して、「21世紀のヒトラー」「悪の帝国のごろつき頭目」「犬にも劣る老いぼれ狂人」とこき下ろし、死ぬほど恐れているトランプ大統領。日本語で言うトランプ遊びは英語ではカードゲームで、トランプは「切り札」などを意味するが、同じ「トランプ」に庶民が熱狂していると正恩氏が知れば、3年の強制労働では済まないかもしれない。