第48回衆院選は22日に投票、即日開票され、東京18区では立憲民主党の菅直人元首相(71)が“土菅戦争”に最終決着をつけて満面の笑みを見せた。

 長年のライバル・自民党の土屋正忠氏(75)と繰り広げてきた小選挙区での戦いは、これまで2勝2敗のイーブン。菅氏は2012、14年と連敗し、比例復活で議員の座を死守してきた。さらに今回は、年齢制限で土屋氏が比例重複しないという背水の陣を敷いており、選挙戦は予想通りのデッドヒートとなった。

 午後11時45分、NHKの当確速報が出ると、集まった約30人の支援者が立ち上がって大喜び。菅氏が事務所に姿を見せたのは日付が変わっていたものの「前回に比べると早いよね!」と声が上がるのが“土菅戦争”ならではの光景だった。

 最終的には1046票差。菅氏は「長年のライバルに小選挙区で勝てて特にうれしいですね」と勝ち誇り、勝因は「市民連合の方たちが実践的に動いていただいたこと。そして共産党が自主的に候補を取り下げてくれたこと」と笑顔で答えた。

 千葉4区で当選した無所属の野田佳彦元首相(60)が「野党が分断されたことは大変残念」とぶぜんとした顔で語ったのとは対照的に、菅氏は「立憲民主党になって政策的にも非常にスッキリした。私の目の黒いうちに脱原発を実現したい」とご満悦だった。

“家庭内野党”とも呼ばれる伸子夫人も「私は総理大臣は上がり(ポスト)だし、もう年も普通の会社なら退職だから、もうそろそろとは言ってましたけど『今回が最後だから手伝ってくれ』と。あの人、今まで一回も『最後』とか不用意なことは言わない(笑い)。だから手伝いました」と喜びつつ内情を明かす。

 息子の源太郎氏(44)が現れたところで、本紙カメラマンが喜びの家族写真をリクエストすると、菅氏は応じる気満々だったが、伸子夫人は「結構です! 私、うるさいから」とまさかの拒否。源太郎氏は「立憲民主党もあれくらい強力な野党にならないと…」と父を懸命にフォローしていた。