自民党の安倍晋三首相(63)は衆院選(22日投開票)の選挙戦最終日の21日、“因縁の地”である東京・秋葉原で街頭演説を行った。

 今年7月、安倍首相は秋葉原で、希望の党の小池百合子代表(65)が率いた「都民ファーストの会」が大躍進した都議選の際、演説中に「安倍総理は辞めろ!」と大コールを受け、「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と応戦した。

 この日、秋葉原は5000人を超える聴衆が集まった。前列に並んだ聴衆が日の丸の旗を振り、「頑張れ安倍総理!」と書かれた横断幕を掲げた。

 一方“安倍一強”を阻止したい反対派は“モリカケ隠しの解散”などのプラカードを掲げたが、大きなトラブルはなかった。

 自民党関係者は「全国各地で『がんばれ安倍総理』『すごいぞ 若者の就職内定率 過去最高』『ありがとう自民党』などと書いたプラカードで(支持者が)選挙戦を応援してくれました」と話す。

 だが、安倍首相の選挙戦は、秋葉原で終了しなかった。街頭演説を終えた後、東京・永田町の党本部で、自民党動画チャンネル「カフェスタ」に出演。再び戦闘モードに突入した。

「秋葉原の街頭演説は、大勢の若い人たちが来てくれてうれしかった」と振り返ったが、選挙情勢で“自民党圧勝”データが示されると、急に表情を引き締めた。

「今回の選挙は、今まで経験したことがない苦しい選挙だった。全国で激戦区は多い。(21日が終わるまで自民党の候補者は)気を抜いたら、一気にやられて後の祭りだ。最後の最後まで命懸けでやってもらいたい」

 公示前は小池氏の希望の党と各選挙区で“仁義なき”バトルが予想された。ところが、フタを開けると、枝野幸男代表(53)の立憲民主党が野党第1党に躍進する勢いだ。

 安倍首相は「(枝野氏は)民主党の菅内閣政権の幹部。負けるわけにはいきません」と険しい表情で話した。