安倍自民が希望・小池牙城に総攻撃 衆院選終盤戦の修羅場

2017年10月19日 17時00分

池袋駅前で希望の党を批判した安倍首相

 9月28日の衆院解散で事実上始まっていた衆院選(22日投開票)の選挙戦は、いよいよ終盤へ。自民党総裁の安倍晋三首相(63)が18日、希望の党を率いる小池百合子東京都知事(65)のお膝元に乗り込めば、遠く離れた愛知では民進党分裂の引き金になったと言える山尾志桜里氏(43)が自民党前職と一騎打ちで崖っ縁の戦いを続ける。両党首、そして山尾氏が戦う2つの修羅場をリポートする。

 安倍首相が、衆院解散を“横暴解散”と批判した小池氏に総攻撃を仕掛けている。

 この日は、東京10区から立候補した自民前職の鈴木隼人氏(40)の応援でJR池袋駅前に集まった2000人を超す聴衆の前で演説。同区は小池氏が都知事に転身するまで地盤としていた選挙区で、昨秋の補選で側近の若狭勝氏(60)が引き継いだ“牙城”だ。

「当選したいがために看板を替える人を信用できるでしょうか。絶対にできません! 希望ある社会などつくれません!!」

 小池氏と行動を共にする理由で自民党を離党し、希望の党から立候補した若狭氏をも安倍首相は厳しく批判した。

 自民党内では公示前、党の方針に反する行動を続けた若狭氏に対し「選挙戦で徹底的に潰してやる!!」と怒りの声が多く聞かれた。

「公示日(10日)、小泉進次郎筆頭副幹事長が鈴木氏を応援。その後、菅義偉官房長官をはじめ党の幹部が次々と入った。安倍首相は、選挙戦最終日(21日)についても、進次郎氏の再投入プランを検討中。情勢次第では自ら再び乗り込むことも予想される」(自民党関係者)

 一方の小池氏は同日、関東地方の知事会に出席後、群馬県のJR高崎駅前で遊説。安倍首相が鈴木氏の応援に入ったことを意識して「若狭さんの応援なくして、都知事選の勝利はなかった」と、自民党の方針に反して自らを支援した若狭氏への信頼性を強調した。

 大手メディアの情勢分析では「自民党が堅調、希望の党が失速、立憲民主党が躍進、共産党が苦戦」という状況だ。

“打倒!小池&若狭”に燃える安倍首相が、最重要選挙区に指定した東京10区についても、選挙アナリストは「鈴木氏の支持が若狭氏を大きく上回っている。自民党は選挙戦終盤、失言などのミスを犯さないことだ」と指摘する。

 安倍、小池の両党首の対決構図が注目される今選挙戦、その色合いを強めたのが民進党議員の希望への合流。さらにさかのぼれば、山尾氏のダブル不倫疑惑報道が民進党をゆるがせた。その山尾氏は無所属で愛知7区から出馬し、最後までもつれそうな接戦を繰り広げている。

 自民党前職・鈴木淳司氏(59)との一騎打ち。山尾氏は不倫疑惑で株を下げたが、選挙区では1対1の図式に持ち込んだことで、反自民の票を総取りできるチャンスを得た。両者の支持率は拮抗しており、結果が判明するのは23日未明にもつれ込むとみられる。
「比例復活のない山尾氏にとっては絶対に負けられない戦い。“ユーチュバー山尾”と化して『山尾しおりチャンネル』なるネット動画も連日配信している」とは政界関係者。

 選挙後の身の振り方も気になるところだ。当初は民進党への復党をにおわせていたが、気づけば同党は分裂し、希望の党と、枝野幸男氏(53)が代表を務める立憲民主党に分かれてしまった。

 今後について、山尾氏の選対関係者は「考え方が違う希望の党には合流しない」とキッパリ。では、立憲民主党かといえば「それも…」と苦しい表情を見せる。

「彼女は民進党の前原誠司代表によくしてもらった恩義がある。新年会ではいつも一緒で、今も連絡を取り合っている。枝野さんとも親しいが、前原さんを袖にはできない。政策は共通するが、立憲民主党には行きづらい」(同)

 その上で、別の選対関係者はこう語る。

「しばらくは様子見。選挙後“何か”が起きますから。希望の党は長続きしない。希望に移った民進党議員の不満の声は耳に入ってくるし、立憲民主党の議員とも話をしている」

 こうした話を聞く限り、一部の民進党系の前議員は敵味方に分かれた後も、水面下で連絡を取り合い“何か”を企てているようだ。山尾氏はその輪に加わるためにも、当選しなければならないが…。