第48回衆議院選挙が10日、公示され、希望の党の小池百合子代表と自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長(36)が、東京・JR池袋駅前で応援演説を行った。天下分け目の選挙戦初日に、両党の“顔”が激突した格好だ。

 小池氏が“応援第一声”に選んだ東京10区は、自民党衆院議員時代の地盤。この選挙区を受け継いだ側近の若狭勝氏(60)の応援演説に入った。

「安倍一強政治をみなさんの一票で終わらせようではありませんか」と声を張り上げた小池氏。前言どおりサプライズ出馬はなかった。

 一方、そんな小池氏の“お膝元”で応援に駆けつけた進次郎氏は「希望の党を立ち上げた小池さんに心から感謝したい」と皮肉った。進次郎氏が応援先に選んだ候補者は、鈴木隼人氏(40)。鈴木氏は「若者の政治参加」を訴え、党内では“政策通”として知られる。

「進次郎氏は、安倍首相の遊説日程が前夜まで決まらない中、自民党ホームページのトップニュースで紹介される。閣僚経験者たちは、失言やスキャンダルで候補者に不人気だが、進次郎氏は無傷。安倍首相と並ぶ人気弁士となった。小池氏の地元を引き継いだ若狭氏に勝ってもらうため、鈴木隼人氏の応援に入った」(自民党関係者)

 先月28日、安倍首相が衆院解散した時、進次郎氏は「小池百合子さん、衆議院選挙に出てきてください」と挑発。これを受けた小池氏は「(進次郎氏が)キャンキャンとはやし立てる」と、軽くいなしてみせた。この両者の小競り合いが、この日の池袋で再現したかのようだ。

 かつてのホームで気勢を上げたい小池氏と、なんとか出ばなをくじこうとあえてニアミスを選んだ進次郎氏。この東京10区で小池氏の側近、若狭氏が自民党の鈴木氏に敗れるようなことになると、希望の党の未来は一気に“絶望的”になりそうだ。