民進「埋蔵金110億円」の行方

2017年10月04日 07時00分

立憲民主党を結党した枝野幸男氏

 衆院選(10日公示、22日投開票)を目前に、民進党の枝野幸男元官房長官(53)が2日、新党「立憲民主党」の結党を表明した。小池百合子東京都知事(65)率いる「希望の党」とは理念・政策が異なると合流を拒否。事実上、民進党から“分党”する形で、資金面のメドもついた格好だ。民進党にある110億円とも言われるカネの乗っ取りを画策していた希望にとっては、思わぬ誤算となってきた。

 結党会見に単身で臨んだ枝野氏は「希望の党の理念や政策は、私たち(民進党)が積み重ねてきた理念や政策の方向性とは異なるものだと判断をせざるを得ない。『枝野が立って、選択肢をつくれ』との激励を頂いた」と新党結党に至った理由を説明した。

 枝野氏は代表に就任し、ほかには希望で公認されない見通しの菅直人元首相(70)、長妻昭元厚労相(57)、赤松広隆元衆院副議長(69)、辻元清美幹事長代行(57)、阿部知子副代表(69)らリベラル・左派系が参加する方向だ。

 希望が民進党のリベラル・左派系の合流を拒否したことで、新たな受け皿が必要になった背景だけでなく、ここにきて、希望の銭ゲバぶりが露呈し、批判が出始めたのも枝野氏らの新党結成へ追い風となっている。

「とにかく希望の党はカネ、カネ、カネとなっていて、小池氏と(公認候補予定者)のツーショット撮影に3万円なんて、美肌修整などの写真加工費の手間があるから、かわいい方。小選挙区と比例重複で供託金600万円は持参するほか、党に100万~200万円の上納金が必要となる。細野豪志元環境相が、夫が出馬予定の中山恭子参院議員にも上納金を要求して、恭子氏がブチ切れたらしい」(永田町関係者)

 希望は衆院選後に民進党を正式に吸収することで、金庫に眠る政党助成金など約110億円とも言われる資金をまんまと頂戴する青写真を描いている。小池氏は「お金欲しさうんぬんに批判される方は全くの間違い。お金のしがらみをつくってはいけない」とカネ目当てを否定するが、民進党に支給された助成金を国庫に返還するとの話は出てきていない。

 一方、新党結党に当たって、民進党の前原誠司代表(55)と協議を重ねてきた枝野氏も、カネをどうやって工面したかを何度も問われた。

「(民進党から)一定の範囲でご協力を得られると思っている」「活動はできるという部分は、なんとか確保ができたんじゃないか」と詳細は明かさなかったが、どこか余裕すらも漂わせた。

「“手切れ金”を得たのでしょうね。一般的に分党の方となった場合、人数に掛け合わせて、公平に分け与える。枝野新党の規模によるが、数億円単位のカネが動くのではないか」(野党関係者)

 民進党のカネを巡っては、別の観測も持ち上がっている。

 この日までに岡田克也元代表(64)、野田佳彦元首相(60)、安住淳元財務相(55)らが、希望にも立憲民主党にも合流せずに無所属での出馬を表明している。この無所属組の衆院選後の動向が注目されている。

 無所属で出馬する前議員は「(無所属での出馬でも民進党に)党籍は残る。今後は参院の皆様が党を担っていく。(衆院選後、民進党に所属になるかどうかは)選挙が終わってみないと分からない」と話した。

 野党関係者は「無所属組はいずれも選挙が強く、再選濃厚です。民進党は参院議員や地方議員は残って、党として当面存続する。希望の党や枝野新党に移れば離党扱いとなるが、返り咲く無所属組は民進党所属の衆院議員となって、発言権も復活する。既に参院の民進内では、前原氏をリコールしようとの動きも出てきて、衆院選後に希望と合併するプランはご破算となりかねない」と語る。

 民進党分裂劇の内幕は、カネを巡る仁義なき戦いでもある。最後に笑うのは――。