小池百合子氏「公明揺さぶり」の狙い

2017年09月27日 17時00分

都議会本会議に臨む小池氏

 小池百合子東京都知事(65)が国政政党「希望の党」を立ち上げ、都議会公明党との間にスキマ風が吹き始めた。国政に目を奪われる小池氏に都政専念を望む同党は、ともに小池都政の与党を構成する都民ファーストの会との連立解消もチラつかせている。すると小池氏は公明党の山口那津男代表(65)に秋波を送って、自公連立を本気で引きはがしにかかっているのだ。

 都議会で30年以上にわたって、都議会自民党と連立を組んでいた都議会公明党は昨年末に連立を解消し、小池氏率いる都民ファに擦り寄った。結果、都議選で公明党は擁立した23人全員が当選。強固な組織票を得た都民ファも55人が当選し、第1党になった。

 ところが、都政だけでは物足りない小池氏は希望の党を結党し、自ら代表にまで就いたから公明党はたまらない。国政では安倍政権と連立与党を組み、選挙協力を結んでいるとあって、小池氏の“乱入”は迷惑でしかない。

 小池氏の新党発表前に都議会公明党は、都民ファとの連立解消を示唆した。都民ファ単独では都議会で過半数は得られず、今後の都政運営が行き詰まるのは明白だが“国政一直線”の小池氏は聞き入れることはなかった。

 もっとも小池氏も都政や総選挙をにらめば、公明党とは手を切るわけにはいかない。特に公明党の組織票はノドから手が出るほど欲しいところ。すると25日にフジテレビ番組で、総選挙後の首班指名を聞かれると「山口那津男さんがいいと思う」と話し、永田町を仰天させた。

「曲がりなりにも100人以上を擁立し、政権交代可能な政党を目指すと言いながら、首班指名は自党の国政トップではなく、山口代表を挙げるとは正気なのか。しかも、山口代表は参院議員。過去、参院から首相になった例はない。それを知ってならバカにした発言ともなる。おべんちゃらにしても度が過ぎている」(自民党関係者)

 山口代表は26日、「都知事の職責は極めて重く、国政政党の代表と同時に二足のわらじで務まるほど、生やさしいことではない。都知事の職を全うするように尽力を願いたい」と小池氏に都政に専念するよう要請した。

 同日の都議会代表質問でも、都議会公明党の谷村孝彦都議(54)は「都民が知事に期待したのは都政に専念し、改革を推進すること。都政を踏み台にして、他に狙いがあるような報道は残念。都民のために汗を流していくことを強く“希望”したい」と念押しした。
 ただ、総選挙の結果次第で、公明党の立ち位置は変わりかねない。

「公明党は“与党”であることに意義がある。総選挙で小池新党が大躍進し、細川内閣(誕生時)のような非自民勢力が過半数を握るような場合、公明党は国政でも手のひら返しで自民党を裏切りかねない。小池氏の山口代表首班指名発言はウソではなくなる。冷静に考えるとその手があるかと思ったでしょう。自公政権のままでは公明党が首相の座をつかむことはありませんからね」(永田町関係者)

 都議会後、小池氏は「(公明党とは)これからも都民第一ということで同じ土俵で同じように進めていく。いろいろとご指摘はあるかもしれないが、大きな改革のチャンス」と改めて関係継続を訴えた。

 都議会公明党の東村邦浩幹事長(55)は「都政を停滞させてはいけない大前提がある。大局に立ちたい」と即座の連立解消は見送る雲行きだ。

 都議会では都議選前に議長ポストを公明党に譲る密約(最終的に公明党側が固辞)があったとされ、国政でも今後の情勢次第でどう転ぶか分からない。