10・22投開票が有力視される衆院選へ向け、小池百合子都知事(65)の関係者らが近く設立する“小池新党”が勢いを増してきた。24日、自民党の福田峰之内閣府副大臣(53=衆院比例南関東)が小池氏側近の若狭勝衆院議員(60)と記者会見し、自民党を離党し新党に参加すると表明。同日午後には、小池氏と会談した「日本のこころ」の中山恭子代表(77)と夫の成彬元文科相(74)が小池新党へ参加の意向を伝えた。都知事選から続く“小池旋風”にはさらなる大物合流の可能性も出ている。

 小池氏は現在に至るまで新党での自身の立場こそ明言していないが「(知事と国政への関与は)矛盾するものとは考えていない。どのようにすれば国にとって、何よりも東京都民にとっていいのか模索をしていきたい」と“国政復帰”に色気も見せている。

 24日、コバルトブルーのジャケットに“百合子グリーン”のスカーフ、ハット姿で中山夫妻との会談を終えた小池氏は「お2人から『新党に合流、参加できないか』というお話があって、それを私が若狭(勝)さんにお伝えする。私は今、新党そのものに関係しているわけではないが、知事選からずっと応援していただいている成彬さん、奥様とは拉致(問題)でずっと一緒にやってきたので、今日は話をうかがった」と経緯を説明した。

 第1次安倍内閣などで拉致問題担当の首相補佐官を務め、安倍晋三首相(63)に極めて近かった中山代表まで“小池新党”と合流となれば自民党も大ショックだろう。さらにこの日午前には自民党の現職副大臣である福田氏が離党、小池新党への合流を表明。与党・自民党に大きな痛手をもたらすことは間違いない。

“小池新党”も着々と役者が揃っている。民進党を離党した細野豪志元環境相(46)がいち早く、小池新党との連携を表明した。若狭氏や細野氏ら7人の国会議員は24日夜に会談し、綱領などを巡り協議。7人が新党発足時のメンバーとなることが固まった。若狭氏は「新党設立に関する記者会見を26日か27日に開く」と語った。

 永田町関係者は「離党者続出の苦境に立たされている民進党や、新党の準備不足を狙ったかのようなタイミングの解散・総選挙だが、準備期間がないがゆえ、安易に小池人気に乗っかろうと各党の“裏切り者”たちが結集しているのが“小池新党”」との冷ややかな見方も少なくない。

 同日夜には民進党の松原仁元国家公安委員長(61)が「離党して小池新党に参加することも含め、検討している」と発言。さらなるビッグネームの小池新党入りの情報も駆け巡っている。

「民進党の前原代表が報道番組で『民進党は皆バラバラで足の引っ張り合いも横行する異常な党だ』とブチまけたように、相次ぐ離党に手を打てていない。さらに選挙までに数人が離党するとみられる。その中には蓮舫前代表の名前まで挙がっている。蓮舫さんの側近の元議員が落選中で、次の選挙で復活させたいのですが、民進党では勝てる見込みがないということで小池新党に蓮舫氏ともども移るという情報です。前原代表は『政権交代を目指す』と息巻いているが、このままでは総選挙は安倍首相VS小池知事の一騎打ちの様相です」(別の永田町関係者)

 共同通信社の電話調査によると、衆院選での比例代表の投票先は自民27%、民進8%、小池新党6・2%、公明4・6%、共産3・5%、維新2・2%。
 安倍首相は小池新党が準備不足のうちに解散・総選挙を打って勝ち逃げするはずだったが、小池人気に集まる大物がまだ出てきそうだ。