「橋下維新」の威を借る“暴走”ポスター

2013年01月15日 11時00分

 維新の会で、またゴタゴタが起きてしまった。問題となったのは大阪府茨木市の市議会議員・山本隆俊氏(64=無所属)が作成したポスターだ。勝手に大阪維新の会の橋下徹代表(43)を演説会に呼ぶと吹聴し、日本維新の会を自称しているのだ。

 ポスターには2月16日に橋下氏が阪急総持寺駅前で山本氏と演説会を行うと明記されている。維新の会関係者は「2月の代表の予定なんて重要な案件以外で、この時期に決まるわけがない」と怒り心頭だ。

 山本氏は大阪維新の会の認可を受けている維新の会いばらき支部の幹事長ではあるが、大阪維新の会の正式な所属議員は大阪府議、大阪市議、堺市議のみだ。また、茨木市議の任期は今月30日までで、27日に任期満了に伴う選挙を行う。そのため、橋下氏がわざわざ、山本氏のためだけに演説会に駆けつけるかのような書き方をすれば市民が“維新の議員”という誤解を受ける可能性は高い。

「代表は寝る間も惜しんで大阪を良くするために働いてきた。だから、手前味噌ですけど大阪での代表の人気はすごい。名前を出すだけで効果があると判断したんでしょう」(前出関係者)

 また、同関係者は「日本維新の会」と書いてある点にもあきれている。「そもそも、日本維新の会と大阪維新の会は似て非なるもの。ポスターには日本維新の会と書いてありますけど、その違いに気づかないのも残念ですよね」とため息だ。

 これまでの政党は地方議員より国会議員の声が圧倒的に強い。しかし、維新の会は既存政党と一線を画すため、「日本維新の会」所属の国会議員と「大阪維新の会」の地方議員は同程度の権限を持つ。また、独立性の担保のために別の組織として稼働している一面も持ち、名前の違いは維新の会のアイデンティティーの1つでもある。「2つの維新の会設立の根幹となる部分についての理解があまりにもない。そんな人だから選挙のために代表の名前と維新を名乗りたかったんでしょ」(同)と山本氏の行動に強いアレルギーを示した。

 これまで、全国各地で「○○維新の会」を自称する団体が現れているが、直接、橋下氏の名前を出すことは少なかった。維新関係者は「大阪維新の会、日本維新の会として、茨木市議選に候補者は出す予定はありません。勝手にやられている状態です。維新の会に問い合わせもあって、こちらも非常に困惑している状況です。正直、今後は一切、維新の名前を出してほしくないですね」とバッサリだ。

 安倍晋三首相(58)と会談を行うなど、大阪だけにとどまらず、全国で橋下氏の存在感は、ますます強まるばかり。すでに、その威光を借りようとする議員が後を絶たないのが現状で、いたちごっこは続きそうだ。