認知症予防に“懐メロカラオケ” 政府が本腰で対策に乗り出したワケ

2017年09月06日 08時00分

 物忘れから始まる認知症の予防対策に“懐メロカラオケ”が注目を集めている。

 4日、「認知症予防の会」代表を務める自民党の鈴木隼人衆院議員(40)は、永田町の衆議院第一議員会館で「全国認知症予防ネットワーク設立総会」を開いた。高齢化社会の日本では今後、認知症の人がさらに増加することが予想される。認知症の症状がみられると「電話の対応ができない」「約束事を忘れる」というトラブルが起きる。

「認知症の高齢者が運転する交通事故や、お金を巡るトラブルが全国で目立つ。認知症対策は喫緊の課題です」(認知症対策に取り組む専門家)

 政府は認知症に対する国家戦略として“新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)”を策定して力を入れているが、予防対策の普及がなかなか進まないのが現状。そこで認知症を減らすこと、認知症の人の進行を少しでも遅らせることを目的に、地域で積極的に取り組んでいる個人や団体、企業のメンバーで同ネットワークを設立した。

 あいさつした加藤勝信厚生労働相(61)は「2025年は高齢者の5人に1人が認知症になるというデータがある。認知症の人を支えるために地域で認知症サポーターが活動を展開中。現在、認知症治療の薬はない。だが、2025年までに治療薬の開発を目指している」と話した。
 設立総会の終了後に開かれた「認知症予防サミット」では、専門家に認知症予防として「“脳トレ”がトレンド。バランスの良い食生活で体を動かし健康を維持し、知的活動が必要だ」と提言を受けた。

 鈴木氏は「認知症の人には、カラオケで歌を歌うのが良いと聞く。それも“懐メロ”。認知症の人は最近の話題には関心がないが、昔のことはよく覚えている。カラオケで歌うことは認知症の進行を止める効果がある」と話した。同ネットワークは年内にシンポジウムを開き、提言をまとめる方針だ。