21日に告示された民進党の代表選は、立候補した前原誠司元外相(55)と枝野幸男元官房長官(53)の一騎打ちとなり、9月1日の臨時党大会での投開票まで選挙戦が始まった。

 争点の一つは共産党との共闘。「野党第1党」を標榜する民進党内でも、次期衆院選で共産党と選挙協力を行うことにアレルギーを示す党員が少なくない。そんな共闘に“決別”を示唆したのが前原氏だ。

「政治家・政党の命は理念政策。合わないところと協力することはおかしい。(4党合意の)是非についても見直す」

 一方の枝野氏は現状維持路線で「我が党の主体性を持ちながら、できることを最大限やる」と語り、さらに「相手のあることを代表選挙で具体的なことまで話す性格ではない。党が違うから理念政策違うのは当たり前」と語気を強めた。

 若狭勝衆院議員(60)が立ち上げた「日本ファーストの会」との連携も、両者で考えが分かれた。

 前原氏は「(政策理念が)出されたときに判断したい」と静観。枝野氏は連携どころか「安保法制、アベノミクス、特定秘密保護法、共謀罪にも賛成してこられたかたと我々とは立ち位置が違う。自民党との補完勢力の可能性が高い」と完全に“敵”認定。

 また、前原氏は安倍晋三首相(62)が提案する憲法改正案において、自身の主張と類似している点について「まず、時系列的に申し上げると、私が申し上げたのが早いんです。安倍さんはその後から言われて、中身が似通っている。私が安倍さんに追随したわけではありません」と“自己主張”をする場面もあった。

 永田町関係者はこの代表選会見を「前原さんは安倍首相を意識するあまり、小物感を出してしまいましたね。一方で原理主義者とやゆされる枝野さんは、堅くて遊びがない」と総括した。新代表には政権交代より、離党が進む民進党の崩壊を防ぐことが先決だろう。