3日発足の第3次安倍第3次改造内閣・自民党役員人事では、初入閣が内定した6人をはじめ、“反安倍”といわれる野田聖子元総務会長(56)の総務相起用などが注目されている。中には、政界でも流行する不倫疑惑を抱えるベテランに加え、「裏社会とのつながりが噂されている。週刊誌をにぎわせなければいいが…」と早くも身内に心配される新顔までいるというから驚きだ。安倍晋三首相(62)の思惑は――。

「地味な顔ぶれですが、いずれも政策通の議員が目立つ。愚直に仕事をして、落ち込んだ支持率を少しずつ回復させていきたいということでしょう」とは自民党関係者。

 麻生太郎副総理兼財務相(76)、菅義偉官房長官(68)らが留任する一方、加計学園問題で揺れた文科省には安倍首相のライバルながらも仕事師で、農林、防衛相などを務めたオールラウンダーの林芳正氏(56)、日報隠蔽問題が起きた防衛省には第2次安倍政権時の防衛相で評価の高かった小野寺五典氏(57)が3年ぶりに返り咲く。日報隠蔽問題を踏まえて文民統制の強化を図る狙いがある。

 内閣改造にあたって、森喜朗元首相(80)は安倍首相に「嫌いな人をあえて置くべき」と進言したというが、その代表格といえるのが野田氏だ。

 2年前の自民党総裁選で「安倍一強」に反旗を翻して出馬をもくろんだが、推薦人があと1人足らずに涙をのんだ経緯がある。政権と距離を置く野田氏の入閣には、首相への「批判勢力」を起用することで懐の深さを強調し、挙党態勢を構築する狙いが見える。野田氏は第2次安倍政権時の2012年12月から14年9月まで党三役の総務会長を務めた。

「野田氏の起用で反安倍も取り入れる度量の広さを示せる一方、野田氏は小池百合子東京都知事と盟友関係だからパイプ役にも期待できる。野田氏も麻生政権以降、閣僚ポストから離れていたので、渡りに船だったのでしょう」(永田町関係者)

 安倍首相を支える重鎮らの意向も聞き入れている。国家公安・防災担当相に内定の小此木八郎氏(52)は当選7回で長らく入閣適齢期だったが、ようやくお鉢が回ってきた。その裏には、ある“手打ち”があったといわれる。

「菅官房長官は、小此木氏の父親の小此木彦三郎元通産相の秘書を長らく務め、その彦三郎氏とつながっていたのが横浜の実力者。菅氏とその人物は先の横浜市長選で争点になったカジノ誘致で仲たがいしていたが、小此木氏の閣僚起用で手打ちした形でしょう。横浜へのカジノ誘致が前進したのではないか」(地元市政関係者)

 外相で再入閣する河野太郎氏(54)は麻生派、沖縄北方担当相として初入閣の江崎鉄磨氏(73)は留任が決まった二階俊博幹事長(78)の側近で知られる。

「先月、麻生派と山東派が合併して『志公会』が結成されたが、麻生派のルーツは河野洋平元自民党総裁が率いた大勇会。河野氏の息子である太郎氏を麻生氏は高く買っていていずれ派閥の後継者に据えたいほど」(党関係者)

 もっとも、第3次改造内閣の中には、いずれスキャンダル爆弾に見舞われると噂される人物もいる。

「当初、外相に抜てきされるはずだったベテランは女性問題、それも不倫問題を抱えているとの噂が現在も流れ、官邸もそのことに気づいた。その人物は外相で入閣できないことを知ると、周りに当たり散らしたそうですが、結局は別のポストで入閣した」と関係者。

 さらには初入閣6人の中には「裏社会とのつながりが噂されている新顔がいる。週刊誌をにぎわさないか早くも心配されています」(別の自民党関係者)。

 重要ポストでの起用が検討された“自民党のホープ”小泉進次郎氏(36)や前大阪府知事・市長の橋下徹氏(47)のサプライズ人事は見送られた。

「進次郎氏は最終的に入閣は経験不足と判断されたが党内で筆頭副幹事長のポストを与えられた。橋下氏はテレビでレギュラー番組を持ち、契約が残っていた」(関係者)

 結局は現在の“安倍お友達内閣”から“重鎮お友達内閣”に移行したともいえそうだ。