小池百合子氏(65)が東京都知事に就任して2日で1年となった。小池氏は、1日の退庁時「やりがいのある365日でした」と笑顔で振り返ったが、その女王様ぶりは都政はもちろん、永田町にもとどろいている。

 この日は都議会で55人の最大会派となった都民ファーストの会など、各会派役員があいさつに訪れた。

 自民党などを相手に「古い政治」と闘う姿勢を鮮明にして高い支持率を保ち、7月2日に行われた東京都議選(定数127)では自身が率いた都民ファが圧勝。公明党などと合わせた知事支持勢力は過半数を大きく超える79議席になり、議会の勢力は一変した。

「小池さんは『都政に集中している』と表向きは明言を避けてますが、都政が盤石となったことで、次は国政進出というのは、もはや既定路線とみられています。都議選を応援した若狭勝衆院議員、長島昭久衆院議員らが都民ファの国政拡大版の新党結成に動きだし、蓮舫代表が退陣を決めた民進党からも合流組が出るといわれています」(永田町関係者)

 その若狭氏は7月30日に出演したテレビ番組で「今年のうちに総選挙となっても想定外だったとならないよう、準備を進める必要がある。新党を作るとすれば、半数くらいは女性候補者にして当選してもらいたい」などと語った。

 若狭氏は都議選での都民ファ圧勝時から「国政新党が作られる流れは自然に出てくる。年内には動きがあるのではないか」と話しており、小池新党の国政進出は現実味を帯びてきている。小池氏も「若狭さんとは考え方を共有しており、国政でも生かしてくれると思う」と絶大な信頼を寄せている。
 これに、都議選で歴史的惨敗を喫した自民党はすでに白旗同然だ。

 ベテラン議員は「国政に出るなら、都市部に候補を立てるだろう。都議選の悪夢再来となりかねない」と危機感を隠さない。党関係者は「小池氏とケンカしないようにすることが、3日の内閣改造に合わせて発足する自民党新執行部の課題となる」とまで語っている。