稲田防衛相「辞任」あえて蓮舫辞任にぶつけた政府・自民党の狡猾さ

2017年07月28日 17時00分

“網タイツ”愛用や相次ぐ失言で大臣のイスもあとわずかといわれていた稲田朋美防衛相(58)が28日、辞任した。東京都議選を巡る問題発言、国会答弁の迷走ぶりが際立った「首相の秘蔵っ子」だったが、追い込まれた末の辞任となった。

 民進党の蓮舫代表が27日に辞意を表明した直後、ニュース速報で報じられた稲田氏の辞意からは、政府・自民党側の狡猾さがにじみ出た。

「蓮舫氏の代表辞任に合わせて自民党が“のっかった”形。同じ日にすれば政治ニュースという点で話題は半減し、ダメージも半減するという計算が瞬時にはたらいた。蓮舫氏にぶつけて(辞任情報を)リークしたところは、ずる賢さでは自民党が一枚上だった」(永田町関係者)

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽問題を巡り、防衛省トップとして混乱を招いた責任を取る形となった。稲田氏の辞任と併せて、防衛省の黒江哲郎事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長の事務方、陸自両トップが辞任することも決まった。

「内閣支持率下落が続き、支持率は26%、不支持率は56%(毎日新聞)との数字も出て、普通なら退陣してもおかしくないレベル。そこに稲田氏の辞任で、政権へさらなる打撃となるのは必至。野党は加計学園問題に加え、稲田氏の任命責任で安倍首相を追及することになる」(野党関係者)

 安倍内閣の閣僚辞任は、2012年12月の第2次政権発足以降6人目。第3次政権では、今年4月に失言で復興相を辞めた今村雅弘氏(70)に続き4人目だ。

 稲田氏は東京都議選中、自民党候補を応援する集会で「防衛省、自衛隊、防衛大臣としてお願いしたい」と自衛隊の政治利用発言をして非難された。学校法人「森友学園」の訴訟を巡っては、関与を否定した当初の国会答弁を一転させ、謝罪。野党からは再三、安倍首相に罷免要求が突きつけられていた。