性的少数者(LGBT)であることを公表している地方議員が6日、「LGBT自治体議員連盟」を発足させ、6日、都庁で会見した。今後、小池百合子都知事(64)にも政策実現を要望していくというが、小池氏は玉虫色の姿勢のため、気をもんでいる。

 会見には同性愛や性同一性障害を公表している世田谷区の上川あや区議(49)、豊島区の石川大我区議(43)、中野区の石坂わたる区議(40)、埼玉県入間市の細田智也市議(25)が出席。また文京区の前田邦博区議(51)はこの席で初めて、同性愛者であることを発表した。同議連には全国62の自治体から83人が集まり、LGBTの人権擁護のための条例制定や啓発活動、当事者のつながりを深めていく。関係者がやきもきしているのは小池氏のLGBT施策だ。

 昨年、都知事選出馬時に小池氏は「女性、男性、子ども、シニア、障がい者が活躍できる東京」と掲げ、ダイバーシティ(多様性)の実現と言いながらもLGBTへの言及はなかった。

「なんだかんだで小池さんは自民党ですから、LGBTへの理解は低いんじゃないかと懸念されました」(団体関係者)

 すると、都議選前の4月に行われたLGBTのイベント「レインボーパレード」で、主催者側からコメントを求められた小池氏は「東京都は女性も男性も子供も高齢者も障がい者も、そしてLGBTの方も、誰もが希望を持って生き生きと生活でき活躍できるダイバーシティの実現を目指していく」とのメッセージを寄せ、LGBTの文言が書き加えられた。

 これでLGBT関係者はひと安心したが、都議選では再び消えた。
「都民ファーストが掲げた337の政策にLGBTの項目はなく、やっぱり小池氏は何も考えていないのではないかと」(同)

 都内では世田谷区や渋谷区で同性パートナーシップ証明書を発行するなど、LGBT施策は進んでいる。同議連では都民ファーストで当選した都議にも参加を呼びかけ、小池氏に“本気度”を問うことになる。