【東京都議選】小池都知事 地雷と悪魔の誘惑

2017年07月03日 18時15分

圧勝に笑いが止まらない小池氏

 2日の東京都議選で小池百合子都知事(64)が代表を務める「都民ファーストの会」は公認候補50人中49人が当選する圧勝を収めた。無所属の推薦候補6人も当選後に追加公認され、選挙協力を結んだ公明党と合わせ、過半数(64議席)を獲得した。小池氏の都政運営は盤石となり、国政進出や初の女性首相誕生へ期待も高まっているが、周辺からは都政運営が行き詰まり、2020年の東京五輪まで持たないとの不穏な声が出ているのだ。

「小池さんは結局、目先のことしか考えていない。市場移転問題がその最たるもので、豊洲に一時移転、築地再開発なんて選挙用の玉虫色もいいところ。都議会もこの先、どう転ぶか分からない。東京五輪前までに都知事のイスを投げ出すんじゃないか」

 こう怒気交じりに話すのは小池氏のブレーンといわれる一人だ。「古い議会はもういらない」と小池氏は都政改革を訴え、昨年都知事に就任してから約1年。1979年から続いた都議会自民党と公明党との連立を解消させ、“都議会のドン”といわれた内田茂・自民党前都連幹事長(78)を不出馬に追い込み、元都知事の石原慎太郎氏(84)を豊洲移転の経緯を検証する都議会百条委員会のお白州に引き出せば、浜渦武生元副知事らを偽証の疑いで刑事告発を可決した。今回、自民党を野党に追いやり、“バラ色の都政”が待ち受けているハズだが…。

 小池氏が直面する最初の試練は都民ファの内紛危機だ。会関係者がこう内幕を明かす。

「都民ファースト内では民進・旧民主党から駆け込んできたグループ、自民党からの脱藩グループ、そして旧『かがやけTokyo』の3つが主導権争いをしている。中でも『かがやけ』組は都議会で流れを作ったと自負しているが、現執行部からは完全に干されていて不満タラタラ。今後、議長と党内人事を決めないといけないが、権力志向の強い人が多いので大モメは必至です」

 都議会は1人になっても会派を結成でき、部屋も割り当てられる。4年前には任期3日目にして、「みんなの党」が幹事長人事を巡って分裂。民進党系の2会派が今年2月に「東京改革議員団」を名乗り、「民進」の名を隠したようにいとも簡単に離合集散を繰り返してきたのが、都議会の歴史でもある。

 さらに小池氏が頭を抱えることになるのが、大挙生まれた“小池チルドレン”だ。当選した公認候補49人中39人が新人で、ほとんどが政治未経験者。小池氏は「医師、弁護士、公認会計士など専門性を持った方々」と胸を張り、都民ファの野田数幹事長(43)は「なんとかチルドレンとかガールズにならないように研修をしながら意識の共有化を図りたい」と話すが、風に乗って生まれたチルドレンは100%の確率で、スキャンダルが噴出している。“小池チルドレン”を巡っても既に醜聞や資質を問われる話がごまんと飛び交っている。

「すぐに飛び出しそうなのが、目玉となった女性候補のスキャンダルで、プライベートでとんだ裁判を抱えていると聞きます。また、ほとんどが高学歴でプライドが高い。豊田真由子衆院議員のような“女王様”気取りもチラホラ。小池チルドレンで注目度が高いですから、週刊誌が手ぐすねひいていますよ」(都政関係者)

 さらに小池氏には国政という“悪魔の誘惑”がある。小池氏に近い関係者は「小池氏は表面上、都政改革を訴え、国政とは距離を置いているが、やはり最大の関心事は国政。若狭勝衆院議員や渡辺喜美参院議員らが新党を結成し、都民ファの勢いを国政にも波及させたいと本腰を入れるばかりに都政がおろそかになれば、足をすくわれかねない」と指摘する。

 小池氏の任期は20年7月30日まで。東京五輪(7月24日~8月9日)と重なり、期間中も知事を務めるには、20年までの間に都知事選で再び都民に信を問わなくてはいけない。都民ファの内紛、チルドレンのスキャンダル、市場移転問題も迷走している中、都議会が再び揺れ、協力を結んだハズの公明党が手のひら返しで都議会自民党と“復縁”すれば、あっという間に足元は揺らぐことになる。