学校法人「加計学園」から“闇献金”を受けたと「週刊文春」に報じられた自民党の下村博文幹事長代行・東京都連会長(63)が29日、会見を開き、疑惑を否定した。

 同誌によると、加計学園が購入したのは、下村氏が文科相だった2013、14年の計200万円分のパーティー券。だが、下村氏を支援する政治団体「博友会」の政治資金収支報告書には記載されていなかったという。

 会見で下村氏は「全く事実に反する。学園から寄付もパーティー券の購入もしてもらったことはない」と疑惑を否定。「11の個人、企業が1者20万円以下で購入した。(加計学園)秘書室長が取りまとめて現金を持参したので領収書を作成した。加計学園が購入したものではない」とした。

 それぞれが20万円以下のため収支報告書に記載する必要はないとの見解だが、政治資金規正法では、特定政治団体のためにパーティーの対価として金銭を集め、団体に提供することを「あっせん」と定義。同一人物によるあっせんで集まった総額が20万円を超える場合、政治資金収支報告書にあっせんした人物の氏名や住所、職業、集めた総額の記載を義務付けているため、疑惑は残る。

 さらに下村氏は、文春側が入手した内部文書について「情報漏えいの疑いがある」と、元秘書が持ち出した可能性があり、偽計業務妨害などで刑事告訴を検討しているとした。この元秘書は都議選に小池百合子知事(64)が代表を務める地域政党「都民ファーストの会」から立候補している。下村氏は「選挙妨害と受け止めざるを得ない」と怒りをあらわにした。

 元秘書は文書の持ち出しを否定しているというが、自民党関係者は「この人物は、下村事務所の事務所費を懐に入れていたという疑惑もあった。自民党の都議選の公募選考で、身体検査に引っかかり“落選”した人物。すぐさま“小池新党”に寝返ったんですよ」と語る。

 とはいえ、都議選で自民党の司令塔ともいえる下村氏の“闇献金疑惑”だけに党内では「支援者からは『下村は脇が甘い!』と怒られた」(自民党候補者関係者)と動揺が広がっている。