東京都議選(7月2日投開票、定数127)について、共同通信社は24、25の両日、都内の有権者約1000人に電話世論調査を実施した。投票先は、小池百合子知事(64)が率いる地域政党「都民ファーストの会」(都民F)と自民党が20%台半ばで拮抗し、第1党に向け接戦となっている。情勢取材も加味すると、公明党なども含めた小池氏の支持勢力では、過半数の議席確保をうかがう勢いだ。

 その小池氏が25日、都議選に板橋選挙区から出馬する都民Fの公認候補・平慶翔(けいしょう)氏(29)の応援のため、板橋・大山の商店街の街頭演説会に駆けつけた。

 くしくも前日に行われた平氏の姉でタレントの平愛梨(32)とサッカー日本代表の長友佑都(30=インテル)の結婚披露宴にも出席した小池氏は「昨日、愛梨さんの結婚披露宴に行ってまいりました。慶翔さんは6人きょうだいの4番目。今どき、6人きょうだいってすごいよね」と切り出し、待機児童対策や高齢者福祉などの本題につなげた。

 選挙期間中、公平性の観点から、一般紙が特定候補や特定政党の報道を控える中、愛梨と長友の披露宴は芸能ニュースとしてスポーツ紙などで大きく報じられた上、都議選真っただ中の小池氏が駆けつけ「慶翔さんは都民の代表として頑張りたいと出馬しました」などと選挙演説のような祝辞を贈ったことも大きく取り上げられた。

 まさか披露宴の日取りを都議選期間中に当てたわけはないが、小池氏にとってはおめでたい話題に便乗できるチャンス。平氏が招待状を送って小池氏の披露宴出席が実現したという。

 平氏は自身の知名度が低いのを自覚しているのか、選挙スタッフも「平愛梨さんの実弟、長友選手の義理の弟、アモーレ平でございます!」とちゃっかり“アモーレ”に便乗するなど、なりふり構わない姿勢だ。

 小池氏の披露宴出席で、愛梨だけでなく長友の後援も取り付けたといってもいい。姉夫婦の応援予定は「今のところありませんが、(長友からは)常々『頑張って』と言ってもらっている」と平氏。披露宴のお祝いムードを自身の当選祝いにつなげたいところだろう。