任期満了に伴う千葉市長選は28日、投開票され、無所属現職の熊谷俊人氏(39)が、無所属新人で共産党県准地区委員の大野隆氏(48=共産推薦)を約14万票差の大差で破り、3選を果たした。選挙戦で熊谷氏は「子ども医療費」の助成対象を中学卒業まで拡充した子育て支援施策など、2期8年の実績を主張。今回の市長選は大きな争点はなく、熊谷市政の評価が問われていた。

 元フジテレビのフリーアナウンサーで、日本維新の会公認候補として次期衆院選・千葉1区に出馬予定の長谷川豊氏(41)は、市長選をどう見たか。

「千葉県議会と千葉市議会は、カジノを含む統合型リゾート(IR)決議を可決している全国で唯一の自治体です。選挙でIRを争点にすると有権者の支持を得られにくくなる傾向があるので、IRに一定の理解がある熊谷氏は選挙戦中で言及せず、かたや大野氏はIRに猛反対した。今回、熊谷市政が勝利したことにより、全国の自治体で繰り広げられているIR誘致合戦で千葉が加速する可能性もあります」

 IRをめぐる誘致レースは東京・お台場、横浜、大阪が本命とされ、千葉などが対抗馬。千葉では、行政と民間団体の両者がそれぞれでIR誘致策を検討している。長谷川氏は千葉市沖の人口浮島(メガフロート)にIRを構築する「幕張メガフロート構想」を支持しており、熊谷氏の続投には歓迎の意向だ。

 小池百合子東京都知事(64)はIRに前向きだが、2020年東京五輪・パラリンピックの費用分担問題や築地市場の移転問題、迫り来る都議選(6月23日告示、7月2日投開票)と課題が山積しており、それどころではない。政令市長で全国最年少となる熊谷氏の続投で、IR誘致合戦の対抗馬が猛追を始めるか。