罠にハマった!? 2020年東京五輪・パラリンピックで郊外に設置する競技会場の仮設整備費について、小池百合子東京都知事(64)は11日、安倍晋三首相(62)と会談し、都側が全額負担すると伝えた。小池氏が決められないままに官邸主導で“決着”したとも映る今回の負担問題で暗躍したのは誰だ? さらには民進党の蓮舫代表(49)が思わぬ“もらい事故”に遭っていた!?

 総額約500億円にも上る東京都以外の会場の仮設整備費の負担割合を巡っては、都と関係自治体の間でもめにもめていた。

 小池氏は今年3月末までに大枠を示すとしていたが、ズルズルと引き延ばしになっていた中、9日に神奈川県の黒岩祐治知事(62)、千葉県の森田健作知事(67)、埼玉県の上田清司知事(68)が突如、官邸を訪問。「いい加減に小池知事に決めてもらいたい」と安倍首相に迫っていた。

「11日の安倍―小池会談は事前に決まっていた。3知事が官邸に駆け込んだ後で小池氏が結論を出せば、小池氏に追い込まれた感が出る。もちろん3知事と近く、小池氏とは敵対する菅義偉官房長官が描いたシナリオでしょう」(永田町関係者)

 小池氏はまんまと罠にハマってしまったのか。結論を出すといえば、築地市場の豊洲移転を巡っても延期を決めたものの最終決着は先送りしたままだ。

「都議会自民党は7月の都議選へ向け、『小池都知事は決められないリーダー』とのイメージを植え付けようとネガティブキャンペーンを張っている。今回の整備費負担問題も政略に利用した格好です」(同)

 当の小池氏は11日、「今日の会談はとっくに決まっていたのに、私が駆け込んだようなイメージ操作をされて。違うのになぁ」と怒り交じりに反論した。

 ただ、9日には「今月中に答えを出す」と発言していた小池氏。「官邸主導の流れになってしまい、苦し紛れに決断力を見せるために全額負担という大見えを切らざるを得なかったのでは」(同)

 余計な追加負担を免れた五輪組織委員会の森喜朗会長(79)は「遅すぎるが、決断してくれて良かった」とニンマリ。安倍首相と3知事の会談に同席し、都議会自民党の“代理人”ともいえる丸川珠代五輪相(46)も「やっと決断していただけた。都知事がきちっと表明したことでさらに前に進んでいく」と満面の笑みを浮かべてみせた。

 すっかりハメられたともいえる小池氏は、安倍首相との会談後に都内で開催された「第10回ベストマザー賞2017」授賞式に出席した。やはりご機嫌とはいかなかったようだ。

 同授賞式には民進党の蓮舫代表も出席し、報道陣の狙いはツーショットだったが、なぜか2人は終始、距離を置き、目線を合わせることすらなかった。

 運営関係者は「2人が横並びで写真を撮影させなかったのは『ツーショットはイヤです』と事前に要請があったからです」と明かす。

 民進党は都議選の内定候補者が都民ファーストの会に10人以上も逃げられ、赤っ恥をかいている最中だ。「拒否したのは蓮舫氏側」と見るムキもあれば、「いや、小池氏側だろう」とも。

 というのも蓮舫氏は授賞式で小池氏の子育て政策に「賛同する。今までの男性のトップに比べたら、育児をしている方の悩みに寄り添う政策を出していただけているので共鳴します」と持ち上げ、この期に及んでも“抱きつき作戦”を続行している。

「小池氏にしてみれば、都議選で予想獲得議席が1~2しかなく、死に体となる民進党は眼中にない。それでも擦り寄ってくる蓮舫氏は正直、“しつこい”だけでしょう。4月29日にメーデー中央大会で横並びに出席したのも都民ファーストに乗り換えた連合の顔を立てるためで、“仁義”を通す必要がない授賞式では露骨に拒否したのでは」(都政関係者)

 とはいえ、仮設整備費問題で小池氏は都議会での議論は全く進んでいない中で“独断”してしまい、財源や決定過程について、自民党や共産党から猛追及を受けるのは必至。自民側からは、都議会オリパラ特別委への小池氏招致を求める声も上がっており、小池包囲網が強まりそうだ。