学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池泰典氏(64)が31日、同園が運営する塚本幼稚園と妻・諄子氏が園長を務める保育園でそれぞれ行われた大阪府と大阪市の立ち入り調査に応じた。

 3月23日に国会の証人喚問と日本外国特派員協会での会見をこなした後は、一部のメディア取材には応じたものの沈黙を守ってきた籠池氏。久々に独演会が開かれる可能性があり、幼稚園前には数十人の報道陣と20台近いテレビカメラが集まった。

 大阪府教育庁の職員による調査に園側は籠池氏、長女の町浪氏と代理人弁護士2人が対応。籠池氏は前日に幼稚園ホームページで発表した通り、31日付で理事長を退任し、1日から町浪氏が新理事長に就任すると説明したという。

 府への対応を終えた籠池氏は続く保育園での市の調査に立ち会うため、園児送迎用の学園スクールバスで移動。市の調査後、再びバスで幼稚園に戻ったが結局、報道陣には終始、無言を貫いた。籠池氏は市に対し、補助金受給要件を満たしていなかったと認め、2年度分計252万円を返還する意向を示したという。

 沈黙する籠池氏の思いを代弁するかのように、長男の佳茂氏がほえまくっていた。3月29日に開設したとみられるツイッターで安倍首相夫妻や行政、マスコミを激しく非難しているのだ。

「小学院建設に対して父は完全な被害者なのである」。新理事長に就く町浪氏には「妹よ、(新理事長就任の)声明文は素晴らしかった」とエールを送れば、「野党も大したことないね。この数日ちょこちょこ電話してはる人おったけど結果的には売名行為なんかなぁ~」と毒ガスも噴射している。

 また籠池氏の弁護士が「(証人喚問で)偽証の疑いがある」と発言した自民党の西村康稔総裁特別補佐(54)らに発言撤回を求める抗議書を送付するなどファミリー側は身の潔白や結束をアピールするが、立ち入り調査も実施され籠池氏への包囲網はじわじわと狭まっているのは間違いない。