「民進党の辻元清美議員にも同じことが起こっている」。安倍晋三首相(62)は28日の国会審議で、100万円の寄付を巡る森友学園の籠池泰典氏(64)の証言を否定するなら自ら証明するよう追及を受けた際、辻元氏の名前を出し、いら立ちをあらわにした。

 自民党議員が公表した籠池氏の妻・諄子氏と昭恵首相夫人の一連のメールの中には、辻元氏が幼稚園に侵入しかけ「私たちを怒らせようとしました」とする内容の諄子氏のメールが含まれていたのは周知の通り。

 民進党は速やかに事実関係を否定するコメントを発表したが、首相は「ない」ことの立証を求められる自らの状況と重ね合わせ「(寄付を)渡していないのは証明しようがない」(首相)と強調したかったようだ。

 28日の参院決算委員会で民進党議員が、昭恵夫人から首相名義で寄付を受けたと主張する籠池氏の証言を巡り「否定するなら、根拠が必要だ」と指摘したが、安倍首相は「辻元氏も否定している。これも証明しなければいけないことになる」と反発した。辻元氏の事務所はこの日「幼稚園に侵入した事実はありません」とするコメントを発表したが、相変わらず本人が報道陣の前で説明する気はなさそうだ。

 迫力たっぷりの国会論戦や討論番組などにも多数出演してきた辻元氏。なのに、今回は事務所からのファクスによるコメントを出すのが精一杯の様子。この対応に、とうとう身内の民進党関係者から批判の声が飛び出した。

「今回のコメントだけでは不十分だ。今後もネットの炎上などが続く可能性が高い」

 それだけではない。別の民進党関係者は「辻元さんはアドリブが無理なタイプで、テレビの討論番組の時も自分が話すことを事前に準備してから入る。だからといって(会見をしないのは)民進党の支持者に説明できるだけの材料がないからでないか?と疑われても仕方がない」と話した。