都議会自民党に所属する11人の東京都議が16日、百条委員会設置を求めて有志の会を結成した。会長は野村有信都議(76)で、22日から始まる定例会で同委員会設置を提案。豊洲移転問題だけではなく、2020年東京五輪・パラリンピックをめぐる問題についても扱うべきだと訴えた。

 記者会見で野村氏は「多くの同志が結集する手応えがある。執行部も決断すると思う」と楽観的に語った。呼びかけ人の一人、立石晴康都議(75)は「会場見直しで400億円が無駄にならずに済んだ。他の会場ももう一度、真摯に百条委員会で調べ上げる必要があるのではないか」とした。

 都議らは同委員会に誰を呼ぶかについて「一義的には現在の都庁組織の方になる」(野村氏)と具体例は避けた。とはいえ豊洲問題では石原慎太郎元都知事(84)は確実で、五輪問題なら森喜朗五輪大会組織委員会会長(79)も候補に挙がってくる。

 同委員会設置は共産党など他会派も求めているが、野村氏は「あくまで都議会自民党57人で一致団結して行動するのが原理原則だ」と他会派の提案には乗らない可能性をほのめかした。

 一体、目的はどこにあるのか。都政関係者は「本来なら先に自民党を飛び出した『新風自民党』と一緒になってもよさそうな人もいる。しかし、新風が『選挙目当て』と有権者に批判されたことでスタートダッシュに失敗し後が続けなかった」と指摘。

 11人のうちのある都議は「新風の彼らがファーストペンギンになれればよかったけど、頼りなかったな」とこぼした。

 党内の統制が利かなくなってきたと思える一方で、11人の中には都議選ですでに党公認が出ている者もいる。この日の会見を党執行部は黙認。今回の動きは、都議選を前に“自民党も小池寄りですよ”という抱きつき作戦に使われかねない。